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ビニペンに話を振られ、その瞬間のことを思い出してまた一気に身体中が熱くなる。そんな私の様子を見ていたチャニペンが私のバッグを指さしてほんとにね!と呟いた。とにかくニヤけが止まらない私がバッグから取りだしたのは、可愛い可愛いネコチャンのぬい。
「ソウルコンのピンクモリAにとにかく衝撃受けて、私も同じ髪色にするって言い出した時はどうしようかと思ったけど、結果そのオソロのピンクモリで気づいてくれたようなもんだよね。マジで良かったよ」
ソウルコンでAがフィルスペ期のサナちゃんみたいなピンクモリで登場してきた時にはポンカ構えてるのも忘れて大絶叫してしまったんだけど(あとから見返したら案の定動画はブレッブレだった)、絶対にお揃いの髪色で東京ドーム入ってやるといった謎のスイッチが入り、大学生ぶりの全頭ブリーチをした。緩い職場で本当に良かった。
その結果、トロッコほぼ最前という超良席だったこともあり、Aはこちらに気が付き、手に持っていたぬいを私目掛けて投げてくれたのである……。あの瞬間、時が止まった。まるで私とAだけの世界だった。今まで何度かファンサは経験しているし、オフイベだって通っているけど、やっぱりファンサは何度貰っても嬉しいものである。
遅刻組の頼んだ飲み物も到着し、本日二度目の乾杯。Twitterにあげる用で、それぞれの推しのトレカとskzooを持ってその光景を写真に収めた。
「ほんとツアーお疲れ様!全通は出来なかったけど全体的に席良かったから楽しかったな〜。福岡は前乗りしててほんと良かったよね」
「それな!怒涛のソロターンで毎回体力死んでたの、今じゃいい思い出だなあ。終わっちゃったの悲しいわ」
「このリノペンさ、推しのことばっか考えてるし毎公演記憶飛んでるから毎回次誰だっけ!?って聞いてんくんのまじウケたよ」
「許して〜!ナジマギに全神経集中させてたんだよ!前半は短パン黒ブーツ衣装に首傾げまくったけどさ」
「衣装の話ならA出さなきゃ。福岡の私の悲鳴、絶対ペイペイドーム突き破ってたよね」
「まああれは仕方ないね。あんな衣装であんなとんでもないソロやるなんて予想もしなかったし」
蘇るチョッコン福岡1日目……。ハンジソンのソロが終わり、次は誰!?とドキドキしていたら、メンステから現れた私の推し、香月A。何が一番衝撃的だったかなんて答えはひとつしかない。身にまとっていた衣装だ。
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作者名:ゼロ | 作成日時:2023年10月20日 22時