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決意表明みたいなことを口にするから、どうも緊張してしまって身体中からドッと冷や汗が出そうだった。
膝の上に置いて握り締めている、とても冷えきってしまった両手に被さるようにチャニの手が置かれた。そこからじんわりと温かさが伝わってきて、強ばっていた全身の力が抜けていく感覚がした。
｢ほんとに、本心なんだよね｣
｢うん、本心だよ｣
｢……デビューの前にこれからの方針について話し合った時にさ、グループの楽曲制作に関してスリラチャ主体でAは制作の補助はするけど基本的には外部をメインにやっていくって話になって、その時も少し揉めたの覚えてる？｣
チャニが突然そんな話を持ち出してきたので、ぼんやりと当時のことを思い出す。そういえばあの時も2人だけで話し合っていた。
元々は私が言い出したことで、でもそれがチャニはどうしても納得いかなくて、今回ほどではないけれど少しだけ揉めた。
｢最終的に俺が納得した理由は、Aがスリラチャの曲で1位を取りたいって、自分は外で頑張って名前を広めていくって、真剣な顔でちゃんとしっかり言葉にしてたからなんだ。
……でも今回は違った。どうしても君の表情が、言葉が本心とは思えなかったんだ。なのに頑なに通そうとするから、俺もムキになっちゃった｣
あの時、会議室を出てすぐチャニに言ったことは、実際に思っていたことだった。けれども、本当は心のどこかでこんなことは言いたくない、したくないんだって思う気持ちもあったんだって、後から気がついた。
あまりにも酷いことを言ってしまったんじゃないかと、そんな罪悪感に苛まれていたのは事実なのに、こんな弄れた性格ゆえに自分もムキになってしまったのか、それが誰にも言えなくて、どんどん拗れてしまった。
｢悩み事も心配なことも辛いことも、全部共有しろとは言わないよ。でも、俺もAも他のみんなだって全部1人で抱え込めるほどは強くないから。お互いに支え合うくらいはしよう。絶対に我慢しないで｣
｢……うん｣
｢みんながそれぞれみんなを大事に思っている気持ちは同じだから、1人が辛かったら俺たちみんな辛いんだ。Aが自分を尊重することって、Aにとって大切な存在を尊重することでもあると思う｣
＿＿＿だから、これからも少しは頼ってよ。約束して。そう呟いたチャニの瞳から、静かに一粒の涙が溢れた。
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作者名：ゼロ | 作成日時：2023年10月20日 22時
