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｢ヒョンとヌナがどんな内容で揉めたのか、僕はよく分からないけど、きっとヌナは本心なんかじゃないと思います。何も知らない僕がこうやって言う資格はないかもしれないけど、ヌナの本心を引き出してそれをどうにかできるのって、今はチャニヒョンしかいないんです｣
イエニはそう言った後に、胸に手を当てて小さく息を吐いた。年が離れてなければきっとAヌナを一番理解している相棒のような存在になっていたのはイエニだったのかもしれないと思うことがよくある。
ヌナのことをちゃんと理解して、反対意見だとしてもちゃんと本人にその思いを真っ向から伝えることができるから。それが意外とチャニヒョンはできないところがあるし。
イエニの言葉を聞いたヒョンは、口をギュッと閉じてしばらくの間下を向いていた。キャップを被っているから上手く表情は読み取れないが、まさか泣きはしないだろうか？
｢俺、Aに君のことが分からない、理解しきれないって直接伝えちゃったんだ｣
｢……げ、マジですか？｣
思わず口から素の言葉が出てきた。イエニと2人で目を合わせる。黒目が全部見えるくらい目を見開いたイエニを久しぶりに見たんだけど。
｢本当に最悪だと思ってる。自分からAを突き離したんだ｣
｢今回の件って、9割5分それが原因なんじゃ｣
｢多分そう。Aのあの顔を見てれば何をするべきかなんて当たり前にわかるのに｣
｢まあヌナも自分の本心や意見を人に伝えるのが苦手ってだけで信念というか、芯はちゃんとある人ですからね。お互い喧嘩の仕方分からないからこんなに拗れちゃったんですね｣
｢そうなのかも。大事な人1人引き止められない本当に情けないリーダーで、本当に申し訳ないよ｣
深くため息をついたヒョン。こうなったらどうにかまた2人が顔を合わせて話し合う時間を設けなければならない。
今日は午前練習だけだったから今は自由時間。呼び出せばヌナは来てくれるだろうか。もうかれこれ1時間経とうとしてるけど、まだイェジと一緒にいるのだろうか。
｢ヒョン、今すぐヌナと話し合ってください！時間が経てば経つほど状況が悪化してくるから、もう一回ちゃんと話し合うべきです｣
｢……え、い、今？｣
｢そうです。2人だとまた拗れそうだから、なんなら俺たちが仲介役でここにいてもいいですけどね｣
｢じゃあ僕がヌナに連絡してみます｣
｢イエナ、よろしく！｣
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作者名：ゼロ | 作成日時：2023年10月20日 22時
