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Changbin
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下手に動かない方がいいとはいえ、さすがにそろそろ我慢の限界だった。今日こそ絶対チャニヒョンを捕まえてやる。そう意気込んで本社の廊下を歩いていたところで、トイレの前で壁にもたれてしゃがみこんでいるふわふわとした髪が目に入った。
名前を呼んでみればゆっくりと顔を上げたマンネは誰がどう見ても泣きそうな顔をしていた。
｢イエナ、顔色良くないけど大丈夫？｣
｢ヌナと話をしようと思って、探したんです。それで見つけたんですけど……｣
｢……イェジが一緒にいたって？｣
｢話の内容はわからなかったんですけど、Aヌナが背中さすられてて、泣いてたのかな｣
イエニの口から出た名前はかなり意外な人物だった。ヌナが、イェジに？想像もつかない。だってAヌナにとってイェジは大事な妹の1人であって、そのイェジに慰められるなんて状況は普通じゃ考えられないから。それがモモヌナとかサナヌナとかだったら有り得るけど。
｢普段可愛い弟だからって、僕たちには弱いとこ見せたり頼ろうとしないのに。どうしてって思っちゃったんです｣
ヌナたちは多忙を極めていているから頼るという選択肢はなかったのかもしれないし、イェジが直接この件に関わっているのかもしれない。
絶対に何かがあったのに、俺たちに一切内容を話そうとしないヌナが、イェジには涙も見せている。ヌナがちょっと気が滅入ったことがあれば、よく癒し対象としてヨンボクや、それこそイエニが側にいることが多いのはイエニ本人もよく分かってるから、尚更ショックを受けているんだろう。
｢やっぱりずっと一緒に暮らして練習してきた相手の方が、ヌナだって安心するんですよね｣
｢いやイエニ、イェジが相手なのも絶対になにか理由があると思う。俺たちに絶対に話そうとしないのも、会社に止められてるのかもしれないし｣
さてどうしたものか。俺がこうして言葉をかけても目の前のイエニは暗い顔のまま。気持ちは痛いほど分かるが、このままだと負の連鎖が続いていきそうだ。
｢……イエナ！俺は今からチャニヒョンと話をしに行く。おまえも一緒にね！｣
｢えっ、今からチャニヒョンに？｣
｢どうせ宿舎には帰ってこないからこっちから突撃しようと思ってたんだよ！ヌナにはイェジがいるけど、ヒョンはずっと1人で抱え込んでるっぽいから｣
イエニは動揺した様子だったが、有無を言わさず手を掴んで立ち上がらせて、そのままヒョンのいる場所に足を進めた。
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作者名：ゼロ | 作成日時：2023年10月20日 22時
