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それはハニやリクス辺りは泣き出すよなぁ。こうして話を聞いた上でのその発言は肯定はせずとも理解はする。ただ、自分が何も知らずにあの場にいた場合口を挟んでしまっていたかもしれない。
それだけ彼女の口にする言葉には重みがあった。Aのその発言がこれだけの力を持つのは、Stray Kidsがいなければ死んでしまうのではないかというくらいAがStray Kidsのことを誰よりも愛しているからだ。
A自身、そういう言葉を自分が言うことによって、意味や思いがさらに増し、相手に深く突き刺さることを分かっていて無意識に使ってしまったのだろう。
リノは一部とはいえかなり話題になってしまった噂にAの名前が出てきて拗れてきたことを知った瞬間、すぐに自分のことではなくAの身を案じて俺の所へ来た。
『こんなくだらないことにAを巻き込みたくない。ただでさえ苦労してるのに、Aは俺とは違って優しいからどんな言葉も受け入れるし自分のことは絶対に二の次だ』
ここまでAのことを理解しているのにどうしてこう噛み合わないというか、空回ってしまうのか。器用に見えて意外と不器用なとこあるからなぁこの2人は。
ただ、Aには何も言わないということを了承したのは自分だ。その結果仲間外れだと思わせてしまった責任は自分にもある。反省しなければ。
｢もし今回の件でリノとAの立場が逆だった場合のことを考えてみて。自分の事なのに突然リノの名前が良くない形で出てきたらAはどうしてたと思う？｣
｢私も同じこと、するかも。巻き込みたくないし、リノにはできるだけ綺麗なものだけを見ていてほしい。他のみんなもそう｣
｢だよね。僕たちみんな同じ気持ちで、今回はお互いに不器用が出ちゃった結果。Aも分かってるでしょ？｣
｢うん。杞憂だった。ごめんなさい｣
それを受け入れて、でも謝る相手が違うんじゃない？と笑えばAはスマホを取り出してリノに電話をかけた。
｢……リノ、その、話があるから……うん。いや私が……分かった、気をつけて｣
まるで久しぶりに会う人に電話をするようなよそよそしさだったけれど、何とか2人で話が出来そうで安心。
｢じゃあ俺は帰るね〜｣
｢だめ、リノが来るまではいてほしい｣
何を不安に思っているのか子どものように駄々をこねるA。可愛いなぁと頭を撫でれば子ども扱いはやめてと口を尖らせた。僕たちはずっと子どもみたいなものじゃないか。
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作者名：ゼロ | 作成日時：2023年3月10日 22時
