. ページ36
Seungmin
.
公演終了後、楽屋待機と言われチャニヒョンはスタッフの人に呼ばれ席を外し、Aヌナはトイレに行った。それ以外の僕を含めたメンバーはみんな言われた通り、大人しく待機していた。
しばらく時間が経って、ヌナが戻ってきた。ここですぐに、何かAヌナの様子がおかしいことに気がついた。僕が声をかけようかと悩んでいるうちに、同じようにヌナの異変を察したのかチャンビニヒョンがヌナに声をかけた。
｢ヌナ、なんかあった？｣
｢ううん、なんでもない｣
いや、明らかに顔が暗い。体調不良？普段あまり不調を表に出さないヌナだからこそ、今の隠しきれていないくらいのヌナの様子はかなりおかしいということに、ここにいるみんなは気がついている。
｢なんかあるなら言いなよ。そんな顔してたら明らかに何かあったことくらい分かるよ｣
リノヒョンは少しツンとした言い方だけどこれが通常運転で、ヒョンなりにAヌナのことを気にかけていたから、僕達もいつも通りだな〜と思ってリノヒョンに任せようとした時だった。
｢……リノのせいなのに｣
｢……は？｣
小さく呟かれた言葉。耳を疑って、思わず逸らした視線を再度そちらへ向けた。ヒョンは訝しげに眉を顰めて一言だけ、は？と声を出した。更に楽屋には静寂が訪れる。
｢俺のせいって何が？俺Aになんかにした？さっきまで俺ら普通に話してたじゃん｣
｢したよ。リノ、あなた今騒がれてるでしょ。その事私に詮索するなって言ったの、なんで｣
｢Aには関係ない事だからって言ったよね｣
｢嘘つき。その一連の流れに私の名前もかなり多く出てるって。私が巻き込まれてるの知ってたんでしょ。誰一人言わないなんておかしいよ。リノがみんなに私には何も言うなって、そう言ったんだよね｣
｢それ誰から聞いた｣
｢私だけ知らないなんて、そんなの悲しい。酷い。気を使ったのかもしれなけど、そんなの嬉しくない。隠し事しないでよ。私の気持ち全然わかってないじゃん！｣
｢なぁ、いい加減にしろよ｣
リノヒョンが大きな声を出して遂に立ち上がってAヌナの元へ向かっていった。そのままヌナの胸ぐらでも掴んでしまうんじゃないかというくらいの勢いだったから、思わず立ち上がる。
僕とほぼ同時にヌナの近くにいたチャンビニヒョンが立ち上がったからか、リノヒョンは少し前で立ち止まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 590人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゼロ | 作成日時：2023年3月10日 22時
