彷徨う先に (ページ21)

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お見通しページ21

Seungmin

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朝起きた時に感じた喉の違和感。気のせいだと思いたかったが、水を飲んでみても軽くご飯を食べてみてもその違和感は消えてくれない。

常日頃からこれでもかと言うくらい気を使っているから喉の調子が悪くなることなんて滅多にないのに、なんでよりによってレコーディングがある今日に……。

スケジュールがぎっしり詰まっている状態で自分だけレコーディングをずらしてもらうことは出来そうにないし、全く歌えない訳では無いから何とか頑張ろう。

ガラス張りの収録室の中でレコーディング中のヒョンジンをソファに座って眺めている。自分の前にはチャニヒョンが座っていて、レコーディングを取り仕切っている。

さっきまでAヌナもチャニヒョンの隣に座ってレコーディングに参加していたのだが、ヒョンジンが始まる直前にチャニヒョンに一つ断りを入れてどこかに行ってしまった。

｢うんOK！ヒョンジナ、お疲れ様〜｣

チャニヒョンの明るい声と共にヒョンジンが戻ってくる。次はイエニの名前が呼ばれて、隣に座っていたイエニははぁーいと間延びした返事をしながら収録室へと入っていった。

｢スンミナ！Aヌナはどこいっちゃったの！｣

｢僕も分かんないよ｣

｢ヌナ俺のレコーディング見てくれると思ったのに部屋入った瞬間にスンミンと話してどっか行くんだもんー！何話してたの！｣

｢いや、普通に世間話？みたいな……｣

｢なんだそれ！ヌナどこ〜！？｣

こいつはきっとAヌナに褒めて欲しかったんだろう。なのに自分の番になって急にいなくなってしまったヌナの行動に軽くショックを受けている。

探しに行ってくると言って部屋を出ていくヒョンジンを適当に見送り、手に持ってるペットボトルの蓋を開けて一口水を含んだ。

イエニが終わったら次は僕の番だ。喉のことをチャニヒョンには伝えておくべきなんだろうけれど、それでも言ったらチャニヒョン優しいから、別日にしようとか言い出して結果的にみんなを困らせることになる。

ハードスケジュールでさえなければ別に気を使わずに言えたかもしれない。でも今回ばかりは仕方ない。まだ言うほどの喉の痛みでもないし……。

そんなことを考えていたら、横から肩をトントンと2回叩かれた。誰だろうと首を動かすと、そこに居たのはドアを半開きにして外から手だけをこちらに伸ばしているAヌナだった。