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聞こえてきたのは男の人の悲鳴。
それに尋常じゃない速さの自分の鼓動の音。
ーー私が、生きているという証拠。
あの推理モドキが当たったんだ。
それがまだ信じがたくて、全ての感覚がぼんやりしている。
「うわあぁぁッ!!
し、死んでるぅぅぅ!!」
「ッ……!」
が、その叫び声で一気に現実に引き戻された。
そうだった。確か5のサークルには沢山の人が……
ここからは5のサークルの様子は見えないので、どれ程悲惨で残酷な光景が広がっているかは私にはわからない。
当然知りたくもない。
鉄球が上がり終えると、サークルの入り口が再び開いた。
そしてそれを見かねたかのように、後藤さんが下りてくる。
「サークルの中にいた人間は全員合格。本大会への出場権利を獲得した事を認めます。
ただし、何人かの生存確認と____
ルールの確認が必要な者が若干一名いるようね」
そう言って後藤さんは、3のサークルに飛び移ったあの男性の方を見た。
そこからの話はよくわからなかったけど、とにかくこの二人は馬が合わない事は私にもよくわかった気がする。
二人のやりとりが終わった後、サークルから出てスカートの裾を直す。
予選を突破したのは私を含めて九人。
私達は黒服の男性に連れられてこの建物をあとにした。
ー$ー
連れてこられたのは外。
そして目の前には大きいテント二つと小さいテント一つ。
今日からゲームが終わるまでの間、しばらくここに住まないといけないらしい。
予想通り、私は小さいテントを一人で使えとの事だった。
初対面の男性方と共同生活する勇気はさすがに無いので、もちろん難なく了承した。
というか私、ここにいる誰の事も一切何も知らないんだけど良いんだろうか。
説明を終えた黒服の男性がいなくなった後、なぜか私に注がれていた視線。
物珍しいのはわかるけど、あまり見ないでいただきたい。
「……では私はお先に」
視線に気づいていないフリをして、私は足早にテントに逃げ込んだ。
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マカロン(プロフ) - ナッツピさん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。確認したところオリジナルフラグは付いていませんでした。もし今後も続くようでしたらお手数ですが教えて頂けると助かります。 (2019年4月27日 21時) (レス) id: c48da97d00 (このIDを非表示/違反報告)
ナッツピ - オリジナルになってます編集画面の下の方に書いてあるので外してください (2019年4月4日 21時) (レス) id: a274a13ed0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マカロン | 作成日時:2018年9月29日 7時