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「まず、名前と年齢はわかる？」
『は、はい………えっと…瀬戸Aです。15歳で、中学３年生です。』
す……すごく奇抜な格好してる人ばっかり……
ニュースとかでよく見る京大の卒業式でコスプレしてる人みたい。
「スマホ持ってるかな？誰かと連絡できる？」
『スマホは昨日お母さんが壊したので持ってないです。友達から連絡先を聞くのも両親に禁止されているのでわかりません。』
心折れそう……た、たしかに昨日許可なく友達にメールした私も悪いけど……
「あー……ごめん。聞いちゃいけない話だったね。」
『別にいいです………それが規則なので。規則に従うのが当然のことですし。』
でもどうしよう……福岡に知り合いの人いないし………
最悪どこかで餓死かな…？…欲を言えば最後に焼き鳥が食べたかった。
「じゃあ、次に自分の個性は何かわかる？」
『こ、こせい……』
…………絵を描くのが好き…？個性って固有の特性っていう意味だったよね？？
「個性っていうのは、例えば俺のこの剛翼が個性。Aちゃんでいう…その角のことだよ。」
『つ、つつつつつ角！？』
「ほら、生えてるでしょ？」
『…………』
渡された鏡で自分の顔を見る
身に覚えのない黒い角が2本。
角？
『私、角生えてます？』
「うん」
『これって現実ですか？』
「うん」
『………ちょっと待ってください………何もかも異常すぎます…！なんで翼生えてるんですか！？なんで私角生えてるんですか！？個性ってなんですか！？一体私はどこにいるんですか！？ここって日本の福岡ですか！？』
これって幻覚……？都合のいい幻覚だったり？！
それとも夢？
「お、落ち着いて。………本当に、個性がわからないの？」
『はい……もう何が何だか……』
「そっか………じゃあ、取り敢えず今日はここに泊まって。俺もここに泊まるからさ。」
『え、ええ！？そ、そんなの悪いですよ！』
「帰れないんでしょ？流石に見捨てるわけにはいかないから」
『え、えーっと……』
いいのかな……殴られたりはしないといいけど……
『…………じゃ、じゃあお言葉に甘えて…』
………明日になったら元に戻ってたりしてないかな……もうやだぁ…
続く
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作者名：ヒヨドリ | 作成日時：2024年1月29日 0時
