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Aside
「おーい？大丈夫ー？？」
『………う、ん……？』
「あ、よかった。やっと起きたね。倒れてたけど大丈夫？」
あ、あれ………？私、確か家で勉強してたはず…だよね？？
『あ！えっと……は、はい！大丈夫…………』
「ん？どうしたの？？」
紅い…翼が生えてる？？あれ？気のせいかな？寝ぼけてるのかな…この前だって筆箱とカブトムシを間違えたし…‥
それにここ…見たことない街…私…捨てられたのかな？
『あ、あのー…えっと、ここ、兵庫県のどこですか？？』
「えっ」
『えっ？』
あれ……この人なんで硬直して……
『……もしかして県外に捨てられ』
「！？捨てられたってどういうこと！？」
『あ、いや全然大丈夫ですので！では！！』
「ここ福岡だけど！？」
『えっ？？？』
お父さんお母さん。私そんなにダメな子だったの…？
平日の夜にわざわざ福岡に行ってまで捨てる……？そんなに私のこと嫌い？？
『最初から産まなきゃよかったじゃん…………』
「………！」
そんなに嫌いならさ。お互い、惨めな思いしなくて済んだはずなのに。
性格も、才能も、人付き合いも、全てが完璧な人間なんてこの世にいないだよ。お父さんとお母さんもわかるでしょ……？
ああ、人前なのに涙が溢れてくる。恥ずかしいよ本当に。
擦っても擦っても涙は止まらないし、ここ人通り多い場所みたいだし。
「………取り敢えず、俺の事務所行こっか！」
『えっ』
あれ………私空、飛んでる？？？
『え……なん、で空っ飛んで……』
「俺、ホークスって言うんだけど……ヒーローとか、特に好きじゃないのかな？」
『ひ、ひーろー？』
ひ、ヒーローってあのヒーロー？私…アンパンマンぐらいしかわからない……
『えっと……ここ本当に福岡ですか？？こんなおっきい翼生えてる人見たことないですよ、私…』
それに翼が生えた人がいるならニュースにもなるはず…
なのにどうしてみんな驚かないんだろう
「うーん……個性って、知ってる？」
『こせい？？あ、最近そういうラインとか厳しいですよね……映画や海外の漫画でもそういうのに配慮されたものがたくさん増えてますし…』
「君は……ちょっと詳しく話を聞く必要がありそうかも」
『は、はい？？』
ど、どういうこと…
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作者名：ヒヨドリ | 作成日時：2024年1月29日 0時
