茶熊学園2018:24 ページ46
___おはよう、諸君。
こうしてみなの顔を見られるのは、私としてもうれしいかぎりだ。
なにせ昨日までは、我々は学園の生徒であることをやめ、この学び舎から去ろうとしていたのだから。
そう、我々は負けようとしていた。敗北を認め、尻尾を巻いて逃げようとしていた。
だが、二人の男女によって、それは間違いであると気づかされた。
誰よりも学校を嫌っていた男は、誰よりも苦しい状況にいた女は、誰よりも諦めていなかったのだ。
我々の目は___
「覚めた。」
アイシャの声が、拡張機のもと、響きわたる。
回りの皆、ひとり残らず決意を表した表情で。
「伝説、つくってやったぜ……!」
『うーん!すばらしい!』
「おつとめご苦労さん。……リアム、A。」
__いまこそ我々は立ちあがる。
強靭な肉体と精神をもって、大いなる脅威へと立ち向かう。
いかなる犠牲を払おうとも、自らの誇りと信念をかけて、下劣なる邪悪をしりぞける。
___我々は、決して敗北などしない!
「ウオォォォォッ!」
生徒たちの歓声が響き、皆の意思が一緒なのを即座に理解させる。
スパルティは心底嫌そうに顔をひがませた。
__……さて、ここで急だが、次の学校行事についての話をしよう。
どのような行事を催すべきか、カラスミ組では持ち越されたままになっていたのだ。
それをいま、決めようと思う。
みなが参加でき、かつやりがいがあるもの……私にひとつ、案がある。
「___体育祭だ。」
「……うふふ。」
アイシャとティナは向き合い、頷く。
そして、再び眉をあげ、口を開いた。
___ただの体育祭ではないぞ。敵は同じ生徒ではないし、競技場はキャンパス全域だ。
戦闘、防衛、監視……種目も豊富にある。
勝利要件はただ一つ。
現体制を打倒し、かつての学園を取り戻すこと。
「___<茶熊闘争祭>。
……どうだ、最高に燃えるだろう?」
最高だ!
息のあった声が響く。
その様子を満足そうに笑い、アイシャはスパルティの方へと向き、これまで以上に大きな声で行った。
スパルティ。いまここに宣言しよう。
これより生徒会は一時的に再組織され、茶熊学園自治会へとその名を変える。
学園に関する権限は、すべてこの自治会が有することになるだろう。
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きり。雑食(プロフ) - ココアさん» コメントありがとうございます!現在今更すぎる茶熊2018編を更新中ですので、こちらが終わるまでヴァイスとの絡みは少々お待ちください…! (2020年3月12日 2時) (レス) id: 330208c88e (このIDを非表示/違反報告)
ココア - ヴァイスとのお話を書いてくれてありがたいです!私、ヴァイス推しなので、とっても嬉しいです!できればヴァイスとのお話をたくさん書いてほしいです!お願いします! (2020年1月21日 21時) (レス) id: 39ea8a8c3c (このIDを非表示/違反報告)
きり。雑食(プロフ) - はい、あけましておめでとうございます。自分がゼロキスを好きなので、ゼロキスと言いたいところではありますが、落ちはありません。楽しみにしていただけ、嬉しい限りです。コメントありがとうございました。 (2019年1月9日 20時) (レス) id: 6b4174ea0a (このIDを非表示/違反報告)
フェリナ - 遅いけどあけおめ!白猫小説少ない中でこれ好きだ〜!楽しみに待ってます!あと質問これ落ちとかあるんですか? (2019年1月9日 17時) (レス) id: 04e428e6d7 (このIDを非表示/違反報告)
きり。雑食(プロフ) - 愛音さん» あけましておめでとうございます。喜んでいただけてなによりです。現在端末が故障しており、更新に苦戦しておりますが、待っていただけると幸いです。コメント、ありがとうございました (2019年1月2日 14時) (レス) id: 6b4174ea0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きり。雑食 | 作成日時:2017年6月17日 6時