茶熊学園2018:15 ページ30
ノートにペンを走らせる音がなり、カムイの声が響く。
いつもの流れならカムイが何かを言うとAからなにか挑発が返ってくるのだが。
『………。』
本人は静かにノートを取っていた。
というのも理由がある。
まずひとつは、先程のディランとの出来事をわすれたい、ということ。
そしてもうひとつは、
_____この手のルーンを忘れたい、ということ。
目を背けることのできない現実である以上、別のなにかに集中するくらいしか逃れる道は無かった。
主にコヨミとルカとディランがAの異変に違和感を持ちながらも、着々と授業は進んだ。
____
キーンコーン
授業が終わるチャイムが響く。
「おーし、メシだメシだー!」
「今日もみんなで食べましょう!」
皆がワラワラと話ながらも机を寄せていく、が、
そんな中Aは自分の弁当を持ち、その教室を出ようとした。
「おい、どこいくんだ?」「どこいく気だよ」
そんなAを止めるべく、二人が声をあげた。
それはやはり、ディランとリアムである。
二人は睨み合い、そしてほぼ同時にAの包帯の着いていない方の腕を優しく握った。
「お前いつの間に戻ってきたんだよ、さっきまでサボってたじゃねーか」
「うるせーな俺は自由なんだよ」
言い合いになる二人にAはこう言った。
『別に、屋上に行こうかなって思っただけだけど……。』
それはあまりにも彼女らしくない一言だった。
彼女は基本、一人でいることを進んで行うことはしないのだ。
一人は寂しい、とシャナオウに泣きつくレベルである。
そんな彼女に教室にいる全員が思った。
自分達が考えている以上に、午前中の事件が心にキているのか、と。
するとルウシェが立ち上がる。
「心のケアも保健委員のつとめです。共に祈り…違いました。まずは友達と仲良くお弁当を食べて少しでも楽になりましょう!」
そういってリアムとディランに挟まれているAの腕を掴み、席に座らせた。
『いや、今日は一人の気分なんだよ』
「そんなのAねーねらしくないよ?ほら!コヨミのくまさんおにぎりわけてあげる!」
「おにぎりとな!?それもくまさんの!では私の握り飯もぜひ!!」
「口にあうかはわからないが…」
Aが一人がいいと言うと、皆がわらわらと集まってきた。
そんな皆に頭を抱えた。
『っはは…、意味わかんねぇ。』
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きり。雑食(プロフ) - ココアさん» コメントありがとうございます!現在今更すぎる茶熊2018編を更新中ですので、こちらが終わるまでヴァイスとの絡みは少々お待ちください…! (2020年3月12日 2時) (レス) id: 330208c88e (このIDを非表示/違反報告)
ココア - ヴァイスとのお話を書いてくれてありがたいです!私、ヴァイス推しなので、とっても嬉しいです!できればヴァイスとのお話をたくさん書いてほしいです!お願いします! (2020年1月21日 21時) (レス) id: 39ea8a8c3c (このIDを非表示/違反報告)
きり。雑食(プロフ) - はい、あけましておめでとうございます。自分がゼロキスを好きなので、ゼロキスと言いたいところではありますが、落ちはありません。楽しみにしていただけ、嬉しい限りです。コメントありがとうございました。 (2019年1月9日 20時) (レス) id: 6b4174ea0a (このIDを非表示/違反報告)
フェリナ - 遅いけどあけおめ!白猫小説少ない中でこれ好きだ〜!楽しみに待ってます!あと質問これ落ちとかあるんですか? (2019年1月9日 17時) (レス) id: 04e428e6d7 (このIDを非表示/違反報告)
きり。雑食(プロフ) - 愛音さん» あけましておめでとうございます。喜んでいただけてなによりです。現在端末が故障しており、更新に苦戦しておりますが、待っていただけると幸いです。コメント、ありがとうございました (2019年1月2日 14時) (レス) id: 6b4174ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きり。雑食 | 作成日時:2017年6月17日 6時