茶熊学園2018:12 ページ27
時間が立つほど、その魔力は力強くなっていく。
肌に触れる空気すらもピリピリとした。
「……恐ろしいものだ。」
アイシャは窓の外を見ながら、そんな言葉を溢した。
その頬には、汗が伝っているようにも見える。
Aの手の甲に埋め込まれたルーンは、それほどまでに恐ろしく、素晴らしい物なのだ。
『うぉっ!暴力反対っ!!』
「まさかあんただったとはな!付き合ってもらうぜ!おらああああっ!!」
剣道場の方から声が聞こえる。
先程廊下を駆けていったレインだろう。
ルカが窓の外を覗きこんだ。
すると遅れてきたセイヤがワテワテと剣道場に走っていった。
_____
『ちょっとなになに!?やめてよ!』
「そんだけ魔力放出して俺を煽っといてやめろだぁ!?冗談よせや!」
竹刀に魔力をこめ、レインの一撃を防ぐ。
魔力を込めすぎたあまり、竹刀がメリメリと音をたてた。
「おらおらおらぁっ!!!」
『落ち着けマジで!竹刀借り物なんだよ!』
レインが持っているのは大きな本物の剣。
それに比べてAのものは竹刀。
それでも魔力のおかげで少しはマシになっていた。
バキイッ!
だが、表からも裏からも力を加えられたせいで竹刀は耐えきれず、真っ二つに折れた。
そのチャンスを逃すほどレインは甘くない。
そのままぐいっと押されていく。
『うぁっ……!』
なにもないが、咄嗟の判断で両手を前に出した。
「!?」
その瞬間、手の甲が光だし、レインの体を吹き飛ばす。
レインの後をつけてきたセイヤは、突然飛んできたレインに驚いた表情を見せた。
「!?お、おい大丈夫かよ!?」
「うるせぇだまってろ!ようやく面白くなってきたんだ…!」
道場の外の木に激突したレインは、体のあちこちを葉で切っていたが、楽しそうな狂喜の笑みを浮かべ、Aに突っ込んでいく。
その瞬間に白い羽が舞った。
「落ち着けレイン!Aさんに戦う気はない!」
止めに入ったのはAとともに入学してきたルカだった。
ルカはAを守るようにして両腕を広げる。
そんなルカを見てレインは眉間にシワをよせた。
「邪魔すんじゃねぇよクソ天使!俺を吹き飛ばしたんだ!やる気がねぇ訳がねぇ!」
流石にこれほど賑やかにしていると他の生徒や教師がなんだなんだと集まってきた。
そして教師にやめろと言われ、レインはしぶしぶながらもやめた。
Aはただ一人、自分の手を見つめた。
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きり。雑食(プロフ) - ココアさん» コメントありがとうございます!現在今更すぎる茶熊2018編を更新中ですので、こちらが終わるまでヴァイスとの絡みは少々お待ちください…! (2020年3月12日 2時) (レス) id: 330208c88e (このIDを非表示/違反報告)
ココア - ヴァイスとのお話を書いてくれてありがたいです!私、ヴァイス推しなので、とっても嬉しいです!できればヴァイスとのお話をたくさん書いてほしいです!お願いします! (2020年1月21日 21時) (レス) id: 39ea8a8c3c (このIDを非表示/違反報告)
きり。雑食(プロフ) - はい、あけましておめでとうございます。自分がゼロキスを好きなので、ゼロキスと言いたいところではありますが、落ちはありません。楽しみにしていただけ、嬉しい限りです。コメントありがとうございました。 (2019年1月9日 20時) (レス) id: 6b4174ea0a (このIDを非表示/違反報告)
フェリナ - 遅いけどあけおめ!白猫小説少ない中でこれ好きだ〜!楽しみに待ってます!あと質問これ落ちとかあるんですか? (2019年1月9日 17時) (レス) id: 04e428e6d7 (このIDを非表示/違反報告)
きり。雑食(プロフ) - 愛音さん» あけましておめでとうございます。喜んでいただけてなによりです。現在端末が故障しており、更新に苦戦しておりますが、待っていただけると幸いです。コメント、ありがとうございました (2019年1月2日 14時) (レス) id: 6b4174ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きり。雑食 | 作成日時:2017年6月17日 6時