茶熊学園2018:5 ページ20
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そのまんま廊下でひっぱりっくらされて軽音部の部室までいくのかと思ったら人気の少ない廊下で速度が落ちた。
外からは恐らく運動部だろうか?
声が聞こえる。
『………で、なにかね、んん?』
冗談抜きで何故突然連れてこられたのかわからず、捕まれている手首をクイクイと上げ下げしながら問う。
走ったせいで髪が乱れてしまった。
ゼロキスくんに貰ったヘアピン取れちゃうよ
『ねぇ、逃げたりしないから一回手ぇ離してくれない?ヘアピン、つけ直したく…』
ドンッ
突然壁際に追い詰められる。
そして目の前にはリアムが立っていた。
世に言う壁ドンなるものだ。
『は?』
どうしてこうなったのかまったくわからん。
目の前になんで顔を真っ赤にしたリアムがいるのか、なんでこんな状況なのか。
教えて母様
「……こういうの、好きなんだろ?」
『ほわい?』
突然言われた「コウイウノ」。
まったく見に覚えがなかった。
「お前バイパーに礼いってたろ、あの写真の」
じわりじわりと近づいてくるリアム。
確かにお礼は言った。
だが、あの写真となんの関係があるというのだ??
そして近づくリアムの唇と私の唇。
そして影が重なった。
訳などなく、捕まれていないもうひとつの手で阻止する。
『ちょっとタンマ。頭が追い付いてない。あの写真の何がダメだったの?』
しばらくの沈黙。
そのあとにリアムは大きなため息をつきながら頭をガシガシとかいた。
「お前なぁ…………これの何処が大丈夫って言うんだよ」
そしてリアムはズボンのポケットから写真を一枚取り出した。
___
『っ、なにこれ!?!?』
驚きすぎて思わずリアムの顔を殴りそうになる。
が、リアムは当たり前のように避けた。
「俺はこれを配られて喜んでるからソウイウやつだと思ったんだよ」
『ワタシMジャナイ!!!!』
顔を真っ赤にしながら一生懸命否定する私を見てリアムは目を丸くする。
そのあとにニヤリと笑った。
「おめぇのそういう顔、はじめてみたな。おもしれぇ」
『うっさい写真返せ!!!』
ぴょんぴょん飛び回るも全て避けられ、自分の体力がなくなる一方。
リアムはこちらを見てニヤニヤと笑みを浮かべた。
私が疲れはて、膝に手をつき息を整えていると、リアムはこう言った。
「軽音部にお前を入れるのはあの場から離れる嘘だったが、気が変わった。おいA、俺と軽音部に入れ」
と。
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きり。雑食(プロフ) - ココアさん» コメントありがとうございます!現在今更すぎる茶熊2018編を更新中ですので、こちらが終わるまでヴァイスとの絡みは少々お待ちください…! (2020年3月12日 2時) (レス) id: 330208c88e (このIDを非表示/違反報告)
ココア - ヴァイスとのお話を書いてくれてありがたいです!私、ヴァイス推しなので、とっても嬉しいです!できればヴァイスとのお話をたくさん書いてほしいです!お願いします! (2020年1月21日 21時) (レス) id: 39ea8a8c3c (このIDを非表示/違反報告)
きり。雑食(プロフ) - はい、あけましておめでとうございます。自分がゼロキスを好きなので、ゼロキスと言いたいところではありますが、落ちはありません。楽しみにしていただけ、嬉しい限りです。コメントありがとうございました。 (2019年1月9日 20時) (レス) id: 6b4174ea0a (このIDを非表示/違反報告)
フェリナ - 遅いけどあけおめ!白猫小説少ない中でこれ好きだ〜!楽しみに待ってます!あと質問これ落ちとかあるんですか? (2019年1月9日 17時) (レス) id: 04e428e6d7 (このIDを非表示/違反報告)
きり。雑食(プロフ) - 愛音さん» あけましておめでとうございます。喜んでいただけてなによりです。現在端末が故障しており、更新に苦戦しておりますが、待っていただけると幸いです。コメント、ありがとうございました (2019年1月2日 14時) (レス) id: 6b4174ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きり。雑食 | 作成日時:2017年6月17日 6時