好きというには重すぎる【降谷零】

Time.082 ページ32

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床に落ちたワイングラスが割れる

隣にいた男が呻き声すらもあげずに倒れた

…恐ろしいほど正確な射撃

嫌な奴を思い出すな


『完璧？』

「ええ…車のとこで待っててください」


駐車場へ行くと車に寄りかかってリリーが立っていた

足元には3本ほど煙草が落ちている

…まさかのヘビースモーカーかよ 意外だな

彼女はちょうど吸い終わったタバコを地面に落とし、踏みながらもう一本取り出した

…え その銘柄って確か松田が吸ってた─


「ねえどうだった？私のスナイプ」

「…変な位置から撃ったのによく急所当てましたね遠距離でこれならお得意の近距離はどうなるんですか…」

「ふふ、射撃だけは自信あるのよ …でも貴方には劣る」

「見たことも無いのに？」

「一回だけあるわよ」


なっ…いつだ！？僕はリリーの前で銃を使ってない

浦瀬の前でだって見せてすらいないじゃないか

まさか何処かで任務を見ていた？それとも─


「嫌ね、嘘に決まってるじゃない…ずっとアメリカにいたのに貴方に会う機会なんてないわよ」

「驚かせないでくださいよ！はあ…」


…そうだよな 記憶喪失なんだから

にしても今日リリーが撃った位置…東京湾と大阪で殺害された2人が撃たれた位置と酷似していた

眉間をあんな綺麗に撃ち抜ける人なんてそうそういない

リリーが…撃ったとしたら…でも何故だ？


「そうよ、明日はバーボンが撃って魅せて！」

「嫌です 僕遠距離はダメなんですよ…それに今回は近距離だとリスクがある」

「残念ね」

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