好きというには重すぎる【降谷零】

Time.070 ページ20

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『降谷さん、対象動きました 渋谷方面に─』

「…すまない風見 用事が出来た」

『ふ、降谷さあん！？』


薄暗い路地に入っていく金髪の女性

普段なら気にしないんだが…今の、絶対に浦瀬だよな？

その先は確か…そういうホテル街だったような…

慌てて車から追いかけようと数歩走って気づく

今の僕思いっきりスーツじゃないか！

一人でスーツとか…絶対に目立つ…

…くそ、一回戻って上着だけでも脱いでこよう

ネクタイとワイシャツの首元を緩めながら走る

一応同期だし…友人だし…片思いの相手だし…気になるだろう

連れて帰りたいとこだけど浦瀬にも何か事情があるだろうし…危険な目にあっていなければそのまま…

…嫌だなあ その相手は僕がいいとか思ってしまう

にしても浦瀬いないな もうどこか入った？

胸が苦しい わかってるさ、こんな嫉妬したところでどうにもならない事くらい！

それでも…7年ずっと追いかけてきたんだ

ただでさえ記憶が無いのに これ以上されたら僕が可哀想だろ！


「ちょ…やめろっつってんじゃん！私はここにもあんたにも用事ない！」

「ぐだぐだうるっせーな さっさと入れよ！
この間も結局欲しい欲しいって強請ってきたくせに…今更嫌だとかなあに言ってんだよ？」

「誰と勘違いしてんの！？こんな所来たことねえから！」

「たった5日の間に随分と口が悪くなったなあ…」


あーイライラしてきた ホテルの横で痴話喧嘩なんて羨ましい限りだ

…いや違うな あの女浦瀬じゃないか

あの感じだと付き合ってる訳ではなさそうだな

というか…浦瀬を別の人と勘違いしてる？


「そんな緑の目の女なんてそうそう日本にいないだろ…なあ？ベルモットちゃんよ…」


─は？

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