好きというには重すぎる【降谷零】

Time.062 ページ12

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「…ここは…」


ポアロの休憩室か…？

頭が痛い…まさかこんな所で気絶するなんて

随分変なところ所をぶつけた様だ

時計を見ると最後に確認した時間より1時間ほど針が進んでいる

な…嘘だろ！？


「梓さん！」

「うわああああああむろさんっ！？もう大丈夫なんですか！？」


休憩室を飛び出してキッチンに入り、皿を洗い始める

最悪だ 今日の睡眠時間が気絶とか公安として恥でしかない！

店内をぐるっと見渡すと彼女はもう居なかった

力抜けてそのまま頭ぶつけて倒れるとか…笑えないよ、本当に


「…あの、金髪の女性って─」

「ついさっき…3分くらい前にお帰りになられましたよ？
そんなことより安室さん頭ぶつけたの大丈夫ですか！？血が出たりはしてなかったですけど…」


3分前…！？

パリンッと高い音を立てて皿が割れる

まずい さっきから落ち着きがないぞ安室透


「す、すみません すぐ片付けます！」

「やっぱり安室さん疲れてるんじゃない？急に倒れちゃうし…」

「そんな事ないよ…今日だってちゃんと寝たから」


さっき1時間な！


「それに浦瀬さん、また来るって言ってたから…近いうちにきっと会えるよ」

「うらせ？」

「あのお姉さんの名前だよ 浦瀬Aさんって言うんだって」


名字が…違う でも別人なわけない

名前が同じだし、髪色も目の色も同じで 声までそっくりなんてどんな確率だ


「もしかして一目惚れでもしたんですか？」

「違いますよ！そんなワケないじゃないですか！」

「いいじゃないですか〜 一目惚れから始まる恋愛
すごくロマンチックですよ！」


一目惚れじゃない 7年前からずっと追いかけてる！

僕の気持ちはそんな軽いものじゃないんだ

そう言えたら…いや炎上するな、この発言


「私、安室さんのこと応援しますね！」

「だから違いますってば…」


とにかく、やっと手がかり1つ掴めたんだ

もう逃がしてやらない

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