Believer zero

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ﾌﾞｳｳﾝ、とそこら中からいかつい音が聞こえる。
あまり乗れそうでない中間先輩が意外とキマってることに驚きつつ。



濱田先輩も来て、六台並んだバイクから望の姿を探した。



一番向こうで手を振る望を見つけ、小走りで駆け出す。



『A』


「あ、ん？」


『あのさ…今回は俺の後ろ』


「知ってるよ！ダメなんでしょ？」



何でダメなのかは分からないけどね。
望に聞くの忘れちゃった。
そしてなぜか悲しそうな顔をするしげ。



『誰に乗してもらうん』


「望」


『…そうなんや』



そこで会話は終わった。
何事もなかったようにバイクを触り出して、もう行けとでも言うみたいに。



少し思うところもあったけど、望がちぎれるくらいに手を振り続けているから急いで向かう。



本当に子犬みたい。



小「遅いっすよー！あ、ヘルメット持ってきました？」


「え、ないの？」


小「すんませんー…今度買ってきますんで頭どんぐらいか見せて下さい」



頭を両手で挟む感じでポン、ポンと触られる。
悪い気はしなくてされるがまましていた。
こんなので分かるなんてすごいなーって思いながら。



小「おっけーっす。やっぱ女の子っすねー、中間先輩のが一番小さいと思うんで予備借りてきますね！」



ピンクのロゴがかいてあるバイクを残し、中間先輩の元へ走っていった。
よく動いてくれる忠犬だ笑



シ「しげくん乗せてよー笑」


『えー？シオンさん免許持ってますやんか笑』



胸にチクン、と針が刺さった。
なんでシオン先輩はこっちを見て言うんだろう。



シ「ダメ？」


『ダメっすー』



やめてよ。
ばーか。



濱田先輩は…



見てないし。



こんなのあたしに見せつけてるようなもんじゃないか。



小「はーいお待たせしました」



突如視界がヘルメットに覆われた。

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