そこをどこうか？紅丸さん (ページ5)

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脱走5 ページ5

台所には、既に紺炉さんが立っていた。

『すみません、紺炉さん。任せちゃって。』

割烹着を着て、手を洗う。

「いや、俺も今やり始めたところだ。それに、また若の駄々に付き合ってやってたんだろ？いつも悪ぃな。」

割烹着を着て二カリと笑う紺炉さんは、まさにお母さんだった。

『駄々ってなんて。大したことじゃないですよ。』

昨日作っておいた味噌汁を温める。

「お前、結構若に振り回されてるだろ？寝る時も若の部屋に連れてかれるし、世話もさせられるし。それに、外に出してもらえねぇし。」

『………思い当たる節しかない。』

「だろ？しかも、それが若の勝手な考えときた。そりゃ、駄々だろうよ。」

全くもって、紺炉さんは紅を知り尽くしている。

あははと苦笑いを浮かべながら、魚を焼き始めた。