そこをどこうか？紅丸さん (ページ40)

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脱走40 ページ40

私が朝起きると、今までの事全てを思い出していた。

紅丸は、私のわがままに付き合ってくれた。

紅は私と触れ合う度に、好きだと言っていて。

今までにない態度を取られたのを思い出して、最初は戸惑ったが、だんだん嬉しさが心を満たしていた。

あの、紅丸がそんなこと言うなんて。

紅は街の皆に人気だし、火消しで忙しいから恋愛なんて興味がないと勝手に決めつけていた。

私は小さい頃、紅丸が大好きだったのを思い出した。

きっと子供の頃に戻ったからだと思う。

紅のことが大好きで、いつも私が彼にくっついて歩いていた。

"大きくなったら、紅のお嫁さんになる！"なんて言ってたっけ。

でも、紅が火消しになってから構ってくれる時間が少なくなって、私はこの気持ちをしまっておくことにしたんだ。

だから、自分は紅が好きじゃない、そう自分に言い聞かせることにした。

けど、あんなに優しくされて、毎日好きだと言われたら、もう我慢出来ないし、好きにならざるおえない。

私は、ちゃんと紅丸に気持ちを伝えることにした。

伝えるのは、少し急かされたのもあるけど、案外簡単で、スッキリした。

気持ちを伝えてから最初のハグは、とてつもなく幸せで、温かかった。