そこをどこうか？紅丸さん (ページ39)

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捕獲39 ページ39

朝飯を食いながら話を聞くと、記憶が戻ったのは今日の朝らしい。

朝起きたのが、朝飯の支度をする時間で、その時に何もかも思い出したそうだ。

「記憶戻るのがそんなことでいいのかよ………。」

「まあまあ、良かったじゃないですか、若。」

「………お前、今まで記憶あるのか？」

『えーと………。』

Aは急にそっぽを向いた。

「おい、こっち向け。」

無理矢理顔を向かせると、耳まで真っ赤に染まっていた。

『………全部覚えてるよ……………………。』

消え入りそうな小さな声で呟いた。

「ヒナタ、ヒカゲ。少し外に行くか。」

「なんでてめぇに命令されなきゃなんねーんだよ！紺炉！」

「そうだそうだ！命令すんな！」

「駄菓子買ってやるから、外に行こう、な？」

「「お菓子！」」

紺炉達が屯所を出ていく。

「で、お前は？」

『え？』

「お前はどうなんだよ。」

ここまで来たら、もうヤケだ。

『えっと………その……………。』

「ん？」

『だから…………。』

「言わねぇなら、もう修理行くからな。」

『待って！好き！好きだから！！』

「大きな声で言ってくれたこった。」

俺はAを抱き締める。

『いきなりされると………照れる…………。』

「安心しろ、これから慣れる。」

『やめてよ～～。』

Aはそう言いながらも俺を抱きしめて離さない。

心も体も温かく満たされていった。