監視34 ページ34
「口開けて。」
『あーーん!』
「舌出して。」
『べーー!』
さっき別れた医者が、Aを診ていた。
「痛い所はあるかい?」
『あたま!からだぜんぶいたい!』
「そうかい、よし、診察は終わりだよ。遊んできてもいいよ。」
『あははーー!』
Aはヒナタとヒカゲを呼びながら、部屋を出て行った。
「………まさか、こんなに早く目が覚めるとは思わなかったよ。………こんな形で体に影響が出るなんて……。」
「なんでああなったか、わかるか?」
「これは儂のただの憶測になるが………。」
「それでもないよりはいい。話してくれ。」
「もちろん、頭を打った影響もあるんだろうが、本人の欲求不満によるストレスからもきていると思う。子供がある程度大きくなった時、赤ちゃんみたいになるのが何故かわかるか?」
「幼児がえりか?」
「知らねぇな。」
「あれは、ストレスから来るんだ。子供は大きくなれば、それ分親に構ってもらえなくなる。自分で出来るようになるからな。弟や妹が出来れば、尚更さ。」
「Aは、わがままを言わない、健気な子だった。だから………。」
「…………。」
「今ぐらい、好きにさせてやれってことか。」
Aの目が覚めたのに、複雑な気持ちだった。
282人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ウィンぷす | 作成日時:2019年9月30日 21時