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脱走4 ページ4

私がヒナタとヒカゲの髪をとかす。

紅丸は2人の髪を結う。

これが朝の日課だ。

「ひゃっはー!!」

「早くメシ作れよーAー!!」

2人は嵐のように去っていった。

「おら、貸せ。」

紅丸は強引に櫛を私の手からもぎ取って、髪をとかしてくれた。

別に1人でも出来るのに、といつも思っているが、ここで紅丸の機嫌を損ねる訳にも行かず、いつもやってもらっている。

いつもの荒い鎮魂からは想像のできない、優しく柔らかい手つきで髪を結うのだ。

「ん。」

『ありがとう、紅。』

やってもらった後は、お返しをしなくてはならない。

紅丸から受け取った櫛で、今度は彼の髪をとかす。

サラサラだし、すぐにクセが直るからいらないはずなのに、いつも私にやらせたがる。

『いいよ、出来た。』

「お〜………。」

紅丸はまだ半分眠っているのか、やけに素っ気ない返事をした。

『まだ早いし、寝てたら?昨日も遅くまで呑んでたんでしょ?』

昨日は、確か勘太郎と呑んでたんだっけ。

「…………。」

『無視ですか、若。』

「………その呼び方、やめろ。」

『ハイハイ。』

どうも、紅は私が若呼びするのが気に食わないらしい。

話しかけても、それ以上返事がなかったので、朝ご飯を作る事にした。

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作者名:ウィンぷす | 作成日時:2019年9月30日 21時

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