脱走14 ページ14
詰所に着くと、真っ先に紅丸の部屋に連れていかれた。
「んで、それはどうした？あ？」
いつもより怖い。
『この前、外に行ったやつに買ってきて貰った………。』
「ああ、アイツにか…。」
『で、でも！無理言って頼んだのは私だから！怒らないでね！』
「アイツは何も言わねぇよ。問題なのは、テメェだからな。」
今日の紅、なんでこんなに機嫌悪いんだろう。
「脱げ。」
『へ？』
「脱げっつってんだよ。」
紅丸はそう言って無理矢理服を脱がせようとする。
『え！え！？何！ちょっ！』
必死に抵抗するが、力の差は変えられない。
あっという間に下着姿にされた。
『ちょっと！やめてよ！返して！』
取り返そうとするが、畳に強く叩きつけられる。
『痛っ…！』
紅丸は不機嫌な顔で服を燃やしてしまった。
紅、今本気で抑えたな。
今まで感じたことの無い激痛が体を走る。
『……ねぇ、紅丸は何がしたいの？…ずっと外に行くの邪魔してきてさ。何でこんな事するの？もう分からないよ…。』
痛みと悲しさで少し目が潤んだ。
やろうとしていることが完全否定されて、何だか私まで否定されているみたいだった。
ゆっくりと起き上がりながら、そう言うと、紅はハッとしたような顔をして私に近づいてきた。
紅丸は上着を脱いで私にかける。
何かと話したげに私に手を伸ばしてきたが、反射的に弾いてしまった。
パチンと乾いた音が響いた。
紅は俯いて、何も言わずに出ていってしまう。
喧嘩したかったわけじゃないのにな。
紅丸の服は、私の体をすっぽりと覆っていた。
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作者名：ウィンぷす | 作成日時：2019年9月30日 21時
