続き ページ31
中型の堕鬼を倒した先に、枯れた血涙の泉を発見した。
｢枯れているな…｣
｢君の力で、何とかできないか？さっきのヤドリギみたいに｣
｢…やってみよう｣
柚希は血涙の泉に自分の血を垂らす。
すると枯れていた血涙の泉は再生し、その枝から血涙を実らせた。
｢これは、…まさか｣
青年の驚愕を他所に柚希は血涙を回収する。
｢これで、あの子が返ってくるね｣
｢…早く地上に行こう｣
──地上に上がった先にあったのは、残っていた横柄な吸血鬼が同胞を襲っている光景であった。
イオが近くで倒れているのが見える。
｢！｣
｢…堕鬼となったら、もう二度と元には戻らない｣
｢彼女を助けないと…！！｣
──…
堕鬼を倒し、イオを抱き起こす。
｢…無事？｣
｢はい…｣
｢よかった…｣
〈──〉
突然、どこからか声が聞こえた。
声の元を探ると…堕鬼のいた場所に何やら赤い結晶が落ちている。
｢…それは血英だ。触れた者を侵食し、堕鬼と変える危険な石だ。呟きに耳を傾けるな｣
青年の制止が聞こえていないのか、柚希は何かに誘われるように血英に手を伸ばす。
｢！？何を…！｣
｢柚希っ！｣
それを手にした瞬間、棘が手に突き刺さる。
｢ぐっ…ぁ、…！！｣
｢手を離せ！！飲み込まれるぞ！！｣
｢……大丈夫、…あなたなら｣
イオがそう呟いた瞬間、血英から光が溢れ…周囲を飲み込んだ。
〈省略〉
以下、書きたい場面のみ
ルイたちの拠点に来てしばらく経った頃、柚希は夢を見ることが多くなった。
誰かが必死に自分を呼んでいる。
太陽のような髪色をした少女、薄紫の少女、そして…その中に見える鮮烈な金。
｢(君は、…君たちは…誰？)｣
いや、私は…君たちを、知っている。
知っている、はずなんだ。
なのに、
｢(……わからない)｣
少し考えれば凡そのことは明確な答えが出てくる優秀な脳みそでも、この声の主たちの正体はわからかった。
金色の誰かが、こちらに手を伸ばす。
その手を取ろうとした──そこで、目を覚ました。
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ふぃぎー - はじめまして､柚子ポン酢さんの創る設定や話がとても好きでいつも楽しく読ませていただいています｡最近ハマり始めたのですが､声優さんのネタ､面白かったです｡突然の書き込み失礼しました｡ (2019年10月31日 22時) (
レス) id: d93ef650b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚子ポン酢 | 作成日時：2019年10月27日 11時
