柚子ポン酢の備忘録：其の弐

創作文豪×テニプリ　ネタ ページ31

ある日、司書室に呼び出された東風谷秋水は司書より特命を言い渡される。

近辺の中学校で本の侵蝕が確認された。

その侵蝕は普段帝國図書館が受け持つような大きなものではなく、極めて小さなものらしい。

腕の立つ文豪1名を中学校に潜入させ、動向を探るのと同時に侵蝕を阻止せよ。とのことだ。

「中学校、というのは…？」

「(そこからか！！)現代では9年間の義務教育制度があるんです、中学校というのはそのうちの3年間学業に励む場所ですね」

「…はぁ、こういうのは若い方が向いてるんじゃないかな」

「東風谷先生の学生服姿…ゲフンゲフン、何が起こるかわからないので臨機応変に対応できる東風谷先生が適任だと思うんです」

「ちょっと今不純な理由が聞こえ「東風谷先生のスカート姿、見たくないですか？(コソッ)」…」

徳田秋声が訝しげに言うが司書に耳打ちされ、つい黙り込んでしまった。

その様子を東風谷は首を傾げて見つめる。

「い、…いい社会勉強になるんじゃないかい」

「(開祖の文豪が社会勉強…)じゃあ、早速潜入先の学校の制服を取り寄せましょうか！」

「…司書殿の命なら、拝命するけど…君が着ているみたいなスカァト？は着れないよ」

『え！？』

「…どうして秋声まで驚く」

「い、いや…思わず。どうしてだい？」

秋声はゴホンッと咳払いをして問いかけた。

「…見ればわかる」

東風谷は着物の裾を少しだけまくる。

『！』

鍛え抜かれた白い足には無数の傷跡が残っていた。

東風谷はその武勇と知略だけで戦国乱世を渡ってきた英傑、身体に残る傷跡はとても数えきれない。

「確かに、これではスカートは厳しいですね…でも東風谷先生なら学ランもきっと似合いますよ！」

「がく、らん…？ごめん、婆でもわかる言葉で頼む」

「…今から心配になってきたよ、色んな意味で」

秋声はため息をついた。

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