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・桜花は玲瓏に散る ページ16

志賀を司書の元に連れて行くと司書は大掛かりな陣を床に描いていた。

「司書!図書館が囲まれてる!!急いでくれ!」

「!…だから、東風谷先生は結界を」

司書は冷や汗を流しながら間違いがないよう慎重に陣を描く。

「――描けました!結界をはりま「待って!!」徳田先生?」

今張ってしまったら外に出た秋水が締め出されてしまう。

「秋水がまだ外にいるんだ!呼び戻さないと…!!」

「は!?図書館の正門は閉じてたぞ!どうして東風谷先生が外にいるんだ!?」

「門が、閉じていた……?」

志賀の言葉に秋声は目を見開いた。

平日だったこの図書館は通常通り、門は開いていたはず。

閉めたとすれば東風谷が閉じたのだろう。

「どうして、そんな…まるで…自分は戻らないと言わんばかりに、」

――司書殿に、謝っておいてほしい。

「!…まさ、か…」

――君がそれを持っている限り、私の想いは砕けない。

穏やかな微笑みが、脳裏をよぎった。

「最初から、……このつもりで」

「どういうことだ?あの人は、こうなることを予想していたってことかよ」

「――できてもおかしくなかろう、あれは乱世を知る文豪ぞ」

やってきたのは尾崎紅葉である。

「紅葉先生、」

「…他の者は皆食堂に集まっている。司書、…結界を発動させよ」

「っ先生!秋水を見捨てるおつもりですか!!」

「司書、…!」

志賀が声をかけると司書はビクリと肩を揺らす。

「東風谷、先生…!」

自分は図書館司書。…ここにいる文豪たちを守る義務がある。

…私は、責任を果たさなければならない。

司書は描いた陣に強く自分の手を叩きつけ、結界を発動させた。

図書館は陣を中心に堅牢な結界に覆われる。

――それを見届けた東風谷は敵の妖魔に囲まれながらも微笑んだ。

敵のものか自分のものかわからないほどの血を被りながら、美しく微笑んだ。

「……悪役を任せてすまない、紅葉。…秋声、……後は――」

頼んだよ。

数万の妖魔の軍勢を相手に孤軍奮闘した東風谷秋水は、その場に倒れた。



(秋水っ…!!)

同じ季節を冠した君の声が、聞こえた気がした。

・秋水と紅葉→←創作文豪ネタ(×遠呂智2)



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ユカ・フォルティア(プロフ) - はい、大丈夫です。こちらこそ、忙しいのに、答えてくださり、ありがとうございます。無理しないでください (2018年3月11日 11時) (レス) id: 4012e6ec36 (このIDを非表示/違反報告)
柚子ポン酢(プロフ) - ユカ・フォルティアさん» リスエストありがとうございます!ネタが浮かび次第、投稿しますね!おそらく、大和+官兵衛&長谷部になってしまうと思いますがよろしいでしょうか? (2018年3月10日 21時) (レス) id: ef6e283f53 (このIDを非表示/違反報告)
ユカ・フォルティア(プロフ) - こんにちは、あともう一個討鬼伝と刀剣乱舞、お願いしてもいいでしょうか?討鬼伝から大和、戦国無双から、黒田官兵衛、刀剣乱舞からへし切長谷部でお願いします。これからも、がんばってください。応援してます。 (2018年3月9日 13時) (レス) id: 375b0a6911 (このIDを非表示/違反報告)
ユカ・フォルティア(プロフ) - ありがとうございます!すごく良かったです。そっか、秋水さんは知っているんですね。 (2017年12月20日 8時) (レス) id: 4012e6ec36 (このIDを非表示/違反報告)
柚子ポン酢(プロフ) - 杙さん» コメントありがとうございます!もちろん賢王との絡みは書く予定です。FGOを始めたのはつい最近で、色々捏造が入りそうですがそれでもよければ末永くお付き合い下さい^_^ (2017年12月19日 21時) (レス) id: ef6e283f53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚子ポン酢 | 作成日時:2017年4月28日 21時

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