創作文豪ネタ(×遠呂智2) ページ15
国定図書館がある日突然空から降り注いだ光によって異世界へ。
助手をしていた東風谷秋水は雪崩れる本から司書を守り、揺れが収まるとすぐさま外に目を向けた。
長らく戦場に身を置いていた東風谷は身に覚えのある胸騒ぎを感じる。
――これは、早く手を打たないと…。
東風谷は鋭く目を細め、司書に告げた。
「司書殿、急いで結界の準備を」
「え、東風谷先生…?」
「返事」
「は、はいっ!」
東風谷の気迫に圧された司書はすぐさま結界の準備を始めるべくその場を走り去る。
そこへ図書館業務を手伝っていた徳田秋声が駆け寄ってきた。
「司書さんっ、秋水!無事かい!?」
「徳田先生!」
「秋声、無事だったか」
「絵本の区域にいたからね。それにしても、一体何が起こったんだい?紫色の光に包まれたかと思ったら急に揺れて…」
秋声に自分の仮説を言おうとした東風谷だったがピリッとした何かを感じ、窓の外に目を向ける。
かなり遠目だが、何かの軍勢がこちらに押し寄せているのが辛うじて見えた。
「(文豪たちはほとんどが戦を知らぬ人間ばかり…資材、食料ともに蓄えは十分すぎるほどにある。結界を張って籠城…を考えていたけど、)…間に合わない」
時間を稼がないと…。
「秋水?」
「秋声、司書殿を頼む」
「は!?」
それだけ言って図書館を出ようとする東風谷の腕を秋声は咄嗟に掴んだ。
「待って!どういう状況かもわからないのに「わかるさ。…この感じには、覚えがある」なんだって…?」
東風谷は秋声に向き合い、穏やかに微笑む。
「秋声、これを」
手渡されたのは、武将列伝・桜花。…東風谷秋水の想いが込められた文学書である。
「どうして、これを…?この状況で…君は、一体何を」
「君がそれを持っている限り、私の想いは砕けない」
もしものときは――司書殿に、謝っておいてほしい。
そう告げると東風谷はスルリ、と秋声の手から腕を抜き図書館を出て行った。
戸惑う秋声はその背中を見送ることしかできなかった。
この図書館にいる誰よりも小さく、たくましい背中…しかし今は、どうしようもなく嫌な予感がした。
「秋水、…?」
呆然としていた秋声は誰かが駆けつけてくる音に我に返る。
やってきたのは志賀直哉であった。
「徳田さんっ、敵襲だ!図書館が囲まれてる!!司書はどこだ!?」
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ユカ・フォルティア(プロフ) - はい、大丈夫です。こちらこそ、忙しいのに、答えてくださり、ありがとうございます。無理しないでください (2018年3月11日 11時) (レス) id: 4012e6ec36 (このIDを非表示/違反報告)
柚子ポン酢(プロフ) - ユカ・フォルティアさん» リスエストありがとうございます!ネタが浮かび次第、投稿しますね!おそらく、大和+官兵衛&長谷部になってしまうと思いますがよろしいでしょうか? (2018年3月10日 21時) (レス) id: ef6e283f53 (このIDを非表示/違反報告)
ユカ・フォルティア(プロフ) - こんにちは、あともう一個討鬼伝と刀剣乱舞、お願いしてもいいでしょうか?討鬼伝から大和、戦国無双から、黒田官兵衛、刀剣乱舞からへし切長谷部でお願いします。これからも、がんばってください。応援してます。 (2018年3月9日 13時) (レス) id: 375b0a6911 (このIDを非表示/違反報告)
ユカ・フォルティア(プロフ) - ありがとうございます!すごく良かったです。そっか、秋水さんは知っているんですね。 (2017年12月20日 8時) (レス) id: 4012e6ec36 (このIDを非表示/違反報告)
柚子ポン酢(プロフ) - 杙さん» コメントありがとうございます!もちろん賢王との絡みは書く予定です。FGOを始めたのはつい最近で、色々捏造が入りそうですがそれでもよければ末永くお付き合い下さい^_^ (2017年12月19日 21時) (レス) id: ef6e283f53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚子ポン酢 | 作成日時:2017年4月28日 21時