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そんな順調なときも長くは続かず、酷いトラブルが起きてしまった。

「Aちゃん!大変、スーツケースがない!」

『嘘!』

なんと、私の着替えや旅の道具が入ったスーツケースがまるまる消えてしまったのだ。誰かが盗んだとしか考えられない。

『村の人たち…みんな優しい人ばかりだと思っていたのに…。』

「たまにあるんだ、彼らの生活環境からしたらスーツケースは見慣れないものさ。欲しくなってしまう気持ちも分からなくは無い。」

『でも…どうしよう、犯人を見つけて返してもらう?』

「そう上手くは行かないよ…でも、やるだけやろう。」

村人たちに尋ねては歩き、村を一周した。複雑な作りの家はなく、隠せるような場所はないはず、それなのにどこにも探し物は見当たらなかった。

「俺は…ちょっとのお金と明日のパンツがあれば生きていけるけど。Aちゃんはそうとはいかないもんね。女の子は大変だから…。」

旅に持ってきた物は数々で、現地では調達出来ないようなものだって多い。仕事で海外を飛び回るとはいえ、これ程本格的な旅をするのは初めてだった私には、身軽は不安すぎる。

『うん…悔しいけど、ね。でもこんな私じゃ…映司くんの足でまといよ。』

「足でまといなわけが無い。どうしてそんなこと…。」

『旅こそが映司くんの生き方で、からだ一つで何処へでも行ける。かっこいいの…でも私はそれについていけるほどの覚悟は出来なかった。今すごく…日本に帰りたい。』

すると彼は驚いたように目を開くと、ふと笑って肩を寄せてくれた。

「俺に無理に付き合おうだなんて、そんなのダメだよ。お互いに手を伸ばし合うことで、分かり合えて助け合って一緒に生きていけると思うんだ。」

『一緒に…生きていく…。うん、一緒に生きたい!』

「俺たちはとっくの昔に手を重ね合える距離感でしょ?一緒に旅をしようって決めた時から、俺たちきっとこうなるって決まってたんだよ。」

手を繋いで目を見つめた。優しい笑顔が返ってきて、私も自然と頬が上がっていく。

「俺と恋人から始めてくれる?…もちろん、一旦日本に帰ってからだけど。」

『もちろん!…ねぇ、帰る途中だって恋人でね。』

もう一度ぎゅっと手を握って、幸せを噛み締める。私は小さな鞄だけを、彼はお金とパンツを持ち、最初に出会った故郷、日本へと帰路へ着き始めた。

−−−−−
end

リク×♦いない、いない 相川始→←・



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Akira_s2(プロフ) - YUKIさん» 返信遅くなりました💦リクエストありがとうございます。受付ましたが、お知らせもした通り、しばらくお待ち頂くことになるかと思います。ご理解よろしくお願いします😢 (5月3日 0時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
YUKI(プロフ) - リクエスト失礼します!ルパパトの高尾ノエルさんってできますか?出来たら高尾ノエルで死ネタをお願いしたいです! (4月14日 13時) (レス) id: 5825403805 (このIDを非表示/違反報告)
Akira_s2(プロフ) - スピカブラックさん» リクエストありがとうございます!更新まで暫くお待ちください☺️ (4月13日 20時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
Akira_s2(プロフ) - 恐ろしの竜さん» すみません!ありがとうございます😿 (4月13日 20時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
恐ろしの竜 - 書き込み失礼致します。小説内で「ドゴルド」が「ドゴルドン」に、「デーボス軍」が「デイボス軍」になっています...💦💦そこだけ気になったので訂正して頂けると嬉しいです。 (4月13日 12時) (レス) @page19 id: 42ee6c3683 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Akira_s2 | 作成日時:2024年3月17日 22時

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