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「姫君と初めて会ったのは、でーぼす軍との戦いの二年ほど前の春だったはずでござる。」


月明かりが眩しいその夜、城の中は宴で盛り上がっていた。長きに続いた隣国との戦に勝利したのだ。

「皆の者!ご苦労であったな、今宵はたんと飲んで騒ぐが良い!!」

城主は盃を片手に天に掲げ、家臣たちに労いの言葉をかけていく。

「兄上、お疲れ様でございます。」

鮮やかな着物を翻し、優雅に腰を落としたのは正しく、殿の妹である姫君だった。

「A、お主も城を守ってくれて感謝する。…そうだ、紹介したい家臣が居てな。」

そう言うと大きな声を張り上げて“空蝉丸”と名を呼んだ。

「親方様!お呼びでござるか。」

少し酒をあおり頬が赤く染っている彼は、主人の前で膝まづいた。

「我が妹に顔を見せてやろうと思ってな。A、この者が空蝉丸だ。此度の戦で大いに活躍した新人だ。」

殿の紹介により、姫に向かって深く頭を下げた。

「面を上げよ、空蝉丸とやら…良い名じゃの。」

「あっ、ありがたき…お言葉、感謝するでござる。」

彼の耳に届くのは冬のように凛とした声で、心の奥にすっと溶け込むようなものだった。そしてゆっくり頭を上げると、目に映るのは美しい春のような微笑みだった。

「ハッハッハ!しばらく二人で話すが良い、(わし)は宴に参加するとしよう。」

殿はそう言うと、宴が広げられている中庭に向かって、ずかずかと歩いて行った。

「拙者も…これにて。」

どくどくと鼓動が聞こえる。空蝉丸は体験したことの無いような心の叫びに戸惑い、目も合わせることなく去ろうとした。

「待つのじゃ。折角の兄上のご厚意を、受け取らぬと言うのか?…妾はお主の事、もっと知りたいと思うておる。」

「し、しかし拙者は…!」

「んふふっ、ほらここに腰掛けるのじゃ。話さなくても良い、所作だけでも会話は出来るはずじゃろう。」

姫の言葉には不思議な説得力があった。言われるままに座った彼は、何も言葉を発する事が出来なかった変わりに、心を掴まれてしまった事を伝えるように、じっと姫の姿を見つめ続けた。


「きっと姫は拙者は女性が苦手だと言うことを気づいて居られたのでしょう。さすがは親方様の妹君でござった。」

・→←リク×[1] 四百年と春 空蝉丸



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Akira_s2(プロフ) - YUKIさん» 返信遅くなりました💦リクエストありがとうございます。受付ましたが、お知らせもした通り、しばらくお待ち頂くことになるかと思います。ご理解よろしくお願いします😢 (5月3日 0時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
YUKI(プロフ) - リクエスト失礼します!ルパパトの高尾ノエルさんってできますか?出来たら高尾ノエルで死ネタをお願いしたいです! (4月14日 13時) (レス) id: 5825403805 (このIDを非表示/違反報告)
Akira_s2(プロフ) - スピカブラックさん» リクエストありがとうございます!更新まで暫くお待ちください☺️ (4月13日 20時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
Akira_s2(プロフ) - 恐ろしの竜さん» すみません!ありがとうございます😿 (4月13日 20時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
恐ろしの竜 - 書き込み失礼致します。小説内で「ドゴルド」が「ドゴルドン」に、「デーボス軍」が「デイボス軍」になっています...💦💦そこだけ気になったので訂正して頂けると嬉しいです。 (4月13日 12時) (レス) @page19 id: 42ee6c3683 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Akira_s2 | 作成日時:2024年3月17日 22時

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