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「頑張っただけじゃ報われなかった、か。」

Aのお使いも済み、しばらくしてヒビキは東京の街にAを連れ出した。憧れの存在と横になって歩くのは、今のAには自信がなく、苦行のようだった。

『はい…。私、四人兄妹の末っ子で、女一人なんです。兄たちは皆、努力を重ねて、今の私よりも若い時分から鬼として戦って…、憧れなんです。伊織く…イブキくんが尊敬するヒビキさんも、私の憧れです。』

「そうか…、そう言って貰えると嬉しいね。」

ヒビキは飄々としつつも、照れくさそうに頭を搔く。

『女の私に課された使命は宗家を守ること。でもそれだけじゃ嫌で、もっと猛士の力になりたくて、開発者になりたいと思いました。ずっと頑張って来たからこそ、この結果を受け入れきれないでいるんです。』

「なんだかなぁ…。少年に似てるな。」

誰のことかと尋ねるとそれは以前、Aがたちばなで出会った明日夢の事だった。

『明日夢くんと?』

「まあ、な。沢山悩めや少年少女ってね。」

信号が赤になって歩みが止まる。Aはまっすぐ前を見つめるヒビキを見つめた。彼女よりも長く生きて、鍛え抜いた鬼の中の鬼の表情は厳しくも優しくもある。

「A、明日夢に言ったそうだな。明日夢が驚くようなものを作るって。」

『…はい。』

「なら、ここで報われたか報われてないか判断するのは、違うんじゃないか?」

『え…?』

「どの大学行くより、その大学で何をするかじゃないのかな。と、オジサンは思います!」

『何をするか…。』

信号が青に変わり、また足が前に出る。まだ憧れへの道の途中にいて、志望大学に受からなかっただけでその道が閉ざされるわけではない。

ここから先も鍛え続けるしかないのだ。

その時のAの表情はすっきりしていて、ただ前だけを向いていた。

−−−−−
end

リク×[1] 四百年と春 空蝉丸→←[2]〇 憧れて、鍛えて ヒビキ



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Akira_s2(プロフ) - YUKIさん» 返信遅くなりました💦リクエストありがとうございます。受付ましたが、お知らせもした通り、しばらくお待ち頂くことになるかと思います。ご理解よろしくお願いします😢 (5月3日 0時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
YUKI(プロフ) - リクエスト失礼します!ルパパトの高尾ノエルさんってできますか?出来たら高尾ノエルで死ネタをお願いしたいです! (4月14日 13時) (レス) id: 5825403805 (このIDを非表示/違反報告)
Akira_s2(プロフ) - スピカブラックさん» リクエストありがとうございます!更新まで暫くお待ちください☺️ (4月13日 20時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
Akira_s2(プロフ) - 恐ろしの竜さん» すみません!ありがとうございます😿 (4月13日 20時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
恐ろしの竜 - 書き込み失礼致します。小説内で「ドゴルド」が「ドゴルドン」に、「デーボス軍」が「デイボス軍」になっています...💦💦そこだけ気になったので訂正して頂けると嬉しいです。 (4月13日 12時) (レス) @page19 id: 42ee6c3683 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Akira_s2 | 作成日時:2024年3月17日 22時

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