[2]〇 憧れて、鍛えて ヒビキ ページ12
冬と春の移り変わり。それは環境が変わる前の心の準備期間だ。どことなく街はソワソワし始めて、不安や期待が漂う。
東京の下町の片隅にある“甘味処たちばな”に訪れたAも心を準備する一人だった。
『…なんて言おう。』
Aはなぜだか店の前に佇んで、戸を開けるのを渋っているようだ。
「お？お客さんか。いらっしゃい。」
ジャージを上下にといった、たった今まで運動していましたと言うような男性がその背中に声をかけた。
『…あ、ヒビキさん？』
「まって、もしかして、イブキの？！」
『はい！妹のAです。はじめまして…ずっと会いたかったです！』
その男性はヒビキといい、Aの兄であるイブキとは共闘の仲だった。
「えー！写真で見るより大きくなって、次何年生だっけ？」
『えっと…大学一年です。』
「大学生かー、よく頑張ったな。」
『その…ありがとうございます。』
「あっら！Aちゃんじゃない！イブキさーん！」
店先で盛り上がっているのを様子を見に来た香須実が、二人を目にして店に招き入れた。
店の奥、つまり地下室から上がってきたイブキがAを見ると、抱きつくようにやって来た。
「A！受験どうだった？」
兄であるイブキにすらまだ連絡を入れていなかった事に、その場の勘のいい人は不審感を覚えた。
『…その、第一志望…お、落ちちゃった。』
「「え…。」」
先程から歯切れが悪かったのはそのせいだったのだろうか。表情を固くして不自然に笑うAを見ると、皆が俯いた。重い空気を感じた香須実はお茶を入れに行き、イブキはAの肩を優しく抱いた。
『ごめん、伊織くん…、ずっと言えなくて。』
「そんなのいいよ、よく頑張っていたことは知っているからね。」
『頑張っただけでは、報われなかった…。』
「…A。」
その様子を空気のようになって見ているヒビキも、神妙な顔つきでいた。
お茶が来て、きびだんごを店の奢りで食べ始めるが、やっぱり空気は変わらない。それを無理やり変えたのはA本人だった。
『そうだ！家のお使いで、おじさまに渡すものがあるんですけど。』
「私、お父さん呼んできますね！」
勢いよく日菜佳は席を立ち、また店の奥に戻って行く。気を使って、イブキも、店の皆も何も言うことが出来ないでいた。
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Akira_s2(プロフ) - YUKIさん» 返信遅くなりました💦リクエストありがとうございます。受付ましたが、お知らせもした通り、しばらくお待ち頂くことになるかと思います。ご理解よろしくお願いします😢 (5月3日 0時) (
レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
YUKI(プロフ) - リクエスト失礼します！ルパパトの高尾ノエルさんってできますか？出来たら高尾ノエルで死ネタをお願いしたいです！ (4月14日 13時) (レス) id: 5825403805 (このIDを非表示/違反報告)
Akira_s2(プロフ) - スピカブラックさん» リクエストありがとうございます！更新まで暫くお待ちください☺️ (4月13日 20時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
Akira_s2(プロフ) - 恐ろしの竜さん» すみません！ありがとうございます😿 (4月13日 20時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
恐ろしの竜 - 書き込み失礼致します。小説内で「ドゴルド」が「ドゴルドン」に、「デーボス軍」が「デイボス軍」になっています...💦💦そこだけ気になったので訂正して頂けると嬉しいです。 (4月13日 12時) (レス) @page19 id: 42ee6c3683 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Akira_s2 | 作成日時：2024年3月17日 22時
