真っ赤なバラが良く似合う 海堂直也 ページ8
「オレサマと、っ！け、結婚してください！」
『……誰？』
Aは今までの人生の中で二番目に困惑していた。見ず知らずの少し変わった人に求婚されている。そして一番の困惑は自らがオルフェノクになってしまった事だ。それと比べてもほぼ同率かもしれない。
「えっ、ほらラーメン屋でよく会ったじゃん！」
『ラーメン屋、えっと……。』
もしかしたらストーカーかもしれないと少し警戒心を抱く。
「ちゅーか、オレサマが好きって言ってるんだから。Aも好きって言えばいいだけの話だろ？な？」
『え、あの。』
なんで名前を知っているの？急展開すぎないか？とますます混乱するばかりだ。
確かに彼女はラーメン屋でバイトをしている。オルフェノクになったところで味覚も趣味も変わらないため、ラーメン屋は相変わらず繁盛している。
「なぁんで覚えてねぇの？！いっつもお会計担当してくれるじゃん！飴ちゃんもくれるしさ。」
『あの、人違いでは？』
こんなにキャラの濃い人に一度でも会えば覚えているはずなのに、Aは全く身に覚えがない。
「違うはずがない！オレサマはちゃんとAのこと見てきたから！」
はい、と彼は真っ赤な薔薇の花束を渡した。……というより押し付けた。
「うん、いいね、超いいね！やっぱり似合ってる。ちゅーか？似合わないはずがないから？」
『あ、はい…。』
バイト明けの上下黒のシンプルな服装に、薔薇は不釣り合いだろう。彼女がいくら薔薇を返そうとしても押し付け続ける。
『あっ！』
その攻防の末、花束は地面に落ちてしまった。
「やっぱり…、要らなかった？」
さっきまで威勢の良かった彼は、分かりやすく肩をすぼめた。その赤い花々が地面に転がる様子にAはなぜだか涙が出そうだった。
『…あの。お願いがあります。』
「ん？なんだ、言ってみろ？」
Aはそれを大事そうに拾いながら言う。
『お友達から、よろしくお願いします…、そして、私にこの花達が似合うようになったらもう一度、いつか、またプロポーズしてくれませんか？』
「フン、いいだろう！オレサマがな、特別に友達になってやる。」
二人は見つめ合って笑うと同じ方向に向かって歩き出した。
−−−−−
end
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Akira_s2(プロフ) - あめだまさん» リクエストありがとうございます！剣崎くん承知しました☺️更新までしばらくお待ちください (5月6日 21時) (
レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
あめだま(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します！仮面ライダー剣の剣崎一真って可能でしょうか？ (5月6日 17時) (レス) id: 4eb730f803 (このIDを非表示/違反報告)
Akira_s2(プロフ) - 陽炎さん» 読んで頂きありがとうございました！ (3月4日 22時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
陽炎 - 本当に素晴らしいお話をありがとうございます！ (2月28日 15時) (レス) id: e05c80d031 (このIDを非表示/違反報告)
陽炎 - リクエストに答えて頂いてありがとうございました！！ (2月28日 15時) (レス) @page19 id: e05c80d031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Akira_s2 | 作成日時：2024年1月13日 23時
