ﾘｸ 闇に堕ちたら 大道克己 ページ19
―C帝国・歓楽街
煌びやかなネオンと音楽、タバコと香水の匂いが立ち込み、人の欲望と苦しみ憎しみが混ざり合うこの地。
背の高いビルとビルの隙間に光はなく、そこに人がいようとも誰にも気づかれることは無い。
『はっ、はあっ！！』
「ふっ、はっ、ぐぁ…っ！！」
銀の簪と短刀だけが月の光を反射し、妖しく光る。女はある組織の命によって男の暗殺を試みていた。
「さすがは財団Xのお抱えスパイだ。用済みのNEVERをこんな辺境まで追ってくるとは。」
『大道克己、財団も貴方のことが好きみたいね、どうでもいいけど。さぁ、闇に堕ちなさい。』
短刀とコンバットナイフがぶつかり合い火花を散らしていく。
『うっ、ぐ！…はぁっ！！』
「ふっ、くうっん、はっ！！」
ポタポタと地面に血の流れる音がする。果たしてそれはどちらのものか。
『ううっ、ぐっ……､あぁ。』
「どうやら、闇に堕ちるのはお前の方のようだな。」
『……はははっ、あははっ、うふっ。』
女は胸元を大きく切り裂かれ、服が敗れてしまっている。吹き出すように血が流れ、息が浅くなっていく。
「何故笑う。お前は負けたんだ、これから死ぬんだぞ。」
『はぁ、っ…いいじゃないの、貴方に殺された、いと思って…貴方のことが、好きな、んだから。はぁ、はっ、うっ…。』
彼女は何度も彼を見てきた。実験施設での会話、訓練、死人である克巳は昔の記憶なんてもう覚えていないだろう。
「
女は短刀を地面に手放し、傷口を押えながら彼を見つめ続けた。
『その手？…私は素直にっ、ん、負けを認めた。はぁ、早く、トドメを刺したら？』
「…くだらないな。自ら死を求めるなんて、バカバカしい。」
『死人が…よく言うわ。はっ、うっ…。』
「俺と話そう、生きている限り。」
彼はそう言って、着ていたジャケットを女の背に着せてやった。
『あぁ……やっぱり、変わらないの、ね。』
優しい温度と声に包まれて、女は深く息を吸おうとする。しかし思うようにはいかずに、目の前が真っ暗になって行った。
「……､行くぞ。」
彼は女を抱きしめて歩き出す。新たな死の世界に向かって。
−−−−−
end
ﾘｸ CREAM リタ・カニスカ→←ﾘｸ おとぎ話 ジェラミー・ブラシエリ
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Akira_s2(プロフ) - あめだまさん» リクエストありがとうございます！剣崎くん承知しました☺️更新までしばらくお待ちください (5月6日 21時) (
レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
あめだま(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します！仮面ライダー剣の剣崎一真って可能でしょうか？ (5月6日 17時) (レス) id: 4eb730f803 (このIDを非表示/違反報告)
Akira_s2(プロフ) - 陽炎さん» 読んで頂きありがとうございました！ (3月4日 22時) (レス) id: 4fceb90968 (このIDを非表示/違反報告)
陽炎 - 本当に素晴らしいお話をありがとうございます！ (2月28日 15時) (レス) id: e05c80d031 (このIDを非表示/違反報告)
陽炎 - リクエストに答えて頂いてありがとうございました！！ (2月28日 15時) (レス) @page19 id: e05c80d031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Akira_s2 | 作成日時：2024年1月13日 23時
