【特撮】シンデレラのヒーローは魔法使い

マゼンタに囚われる 門矢士 ページ1

『見てみて士〜、可愛いっしょ。』

私はこの前夏海ちゃんと一緒に買ったワンピースを着て、ソファでくつろぐ士に向かって決めポーズした。

「…まぁまぁだな。」

『は〜？彼女に向かってその言い方はないでしょ、酷いよお。』

ピンクのフレアワンピース、胸元は白色のサテンリボンで華やかさがある。ひと目見た時にビビっと来て即買ってしまったお気に入りだ。夏海ちゃんも可愛いと褒めてくれて、だから士だって褒めてくれると思っていた。

「Aはもっと……､いや。」

『なによ、言いたいことあるなら、はっきり言って？』

一人で考えて、ちらちら私を見て、なんだか凄くもどかしい。

「似合ってる。」

『へ？…ほんと？』

「あぁ。」

突然、士はそう言った。それならそうと早く言ってよ。

「どうせならマゼンタが良かったと思った、でもAはその色のほうが似合う。」

『そう言うこと…｡』

マゼンタは士の色だ。今着ているのは薄桃色で、こだわりの強い彼はその色のカメラを眺めている。

もしマゼンタのワンピースだったら…私には少し派手すぎるかも。彼にしか似合わない、彼こその色。

『士、写真撮って！』

「ん。」

レンズに向かって笑うと独特のシャッター音がなった。

「出かけるか。」

『お？…お〜、ふふ、いこっか。』

オーロラカーテンを出した彼の手に引っ張られて私はマゼンタの胸の中に飛び込んだ。

−−−−−
end

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