11:ごめん ページ11
『ごめん、びっくりしちゃって』
「…うん」
今度はAさんの方から手をとる
俺、何もしてないよね?
さっきのは、びっくりしたからじゃなくて明らかに俺を避けてるように見えた
もしかしたら、気づかないうちにAさんを不愉快にすることをしてしまったのか
『……』
「……」
やばい、沈黙
一緒に帰ってる時も、たまに沈黙することはあるが、こんな気まずいものではない
必死に話題を考えるが、Aさんの返事はぎこちない
話しかけても、うん、とか、そうだね、とかばっかり
「このあと、どうする?」
『うーん…。どうしよっか』
そう言って会話が途切れる
すげー、気まずい
今日は最初から良い感じに進んでたから、余計
それからもぎこちない会話が進む
時計を見ると、もう夕方だった
あんまり遅く連れ回さない方がいいのかな
「もう帰る?」
あ、やべ
言い方、間違えたかも
言い終えた瞬間思った
『……え?あ、別にいいよ』
じゃあ駅行こっか、なんて言ってAさんは歩きだす
「……」
『……』
駅につくまでも、俺たちは無言だった
『……じゃあ』
「……うん」
電車の方面が違うので、Aさんは俺と反対側のホームに進む
離れた手を、つかみ直す
『え、白布くん?』
「ねえ、俺、何かした?」
『え?』
「今日最後の方いつもと態度ちがったじゃん
なんで?」
『別に、そんなことないよ…』
「嘘」
『だって……』
「何?」
じっとAさんの目を見る
Aさんは、目を逸らしてしまう
『……ごめん』
「え?」
『ごめん』
「ごめんじゃ分かんないって」
『……あ、もう電車くるから!ばいばい』
「あ、おい!」
Aさんはそう言って、俺の手を解いてホームへ向かって走っていった
「くそ……、何なんだよ」
ごめんじゃ分かんないって
ひとり取り残された俺は呟いた
318人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Sakura(プロフ) - 白布くんかっこよかぁ…(*´д`*)すっごくキュンキュンきます!!たまらないですね!もう今パソコンの前でニヤニヤが止まりません←気持ち悪い 更新ファイトです!!応援してます(*´∀`*)b (2016年12月6日 18時) (レス) id: cf1746ec9f (このIDを非表示/違反報告)
唯(プロフ) - 白布カッコいいですね!ドキドキしちゃいます笑続き楽しみにしてます。 (2016年12月4日 15時) (レス) id: 8e2883a2f8 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 白布んさん» ありがとうございます!そうしますね(´∀`) (2016年12月1日 21時) (レス) id: 82e671190c (このIDを非表示/違反報告)
白布ん - 私的には、甘めの話を増やす方がいいと思います。 (2016年12月1日 16時) (レス) id: 1a773fb6c1 (このIDを非表示/違反報告)
通行人A(プロフ) - これからの展開がすごく気になります!(*≧∀≦*) ゆっくりでいいので更新頑張ってください! (2016年11月26日 10時) (レス) id: 27e363e21d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あお | 作成日時:2016年11月16日 20時