【呪術廻戦】全知全能

「要はすべての情報がある場所を簡単に覗けるってだけなのさ、私は」


いとも簡単に告げられた全知の説明。
いわば本題はAがチョークを置くとともに終わる。


「久世はそう考えたけど、私としてはアカシックレコードのほうが適切だと思うんだけどね」

「なにそれ」

「すべての事象が記録されているという世界記憶の概念だよ」

「へー、初耳」

「これも海外の思想だからね。家入さんが知らないのも無理はない」


ここからは雑談。
とでも言うようにAは駄弁るように話す。


「その自論で行くと全能はどこから来んだよ」

「だから言ったろう？」

「ハァ？」

「なんでも知っている。だからなんでもできる。ただそれだけだよ」

「あー…そういうこと」


その会話で夏油だけが気づいた。否、確信を持った。
彼らが天才であるということに。

当たり前のようにそう言ってみせる彼女は天才なのだと。
その発言にすぐ同感できる五条もまた、天才なのだと。


「ただ私は人の身だからね。人の身にできる限りのことしかできない。いわばスケールダウンさ」

「意外と不便だね」

「そう。だから正しく言えば、おおよそ全知全能って言ったところかな」

「全知全能(笑)であってんじゃん」

「こら」