No.28 ページ31
女の纏う色が変わった。
憎しみのこもった強い怒りの色に。
笑顔は消えうせ、鋭い瞳で鬼を睨む。
「そんなに睨んでどうしたのかい？なにか辛いことがあったのか？可哀想に、優しい俺が救ってあげよう！急いでいるから手短にな！」
へらへら笑っているが、目は鋭く女を見つめていた。少し怒っている。
なぜだろうとAは疑問に思う。
彼が少しでも感情を見せたのは珍しい。
女は激昴して叫んだ。
「ふざけるな！！お前があの時、姉さんを殺した…！！」
「姉さん？誰それ…っておいおい、まさかソレで俺と戦おうって？」
「童磨は女の細い形をした刀を見て嘲笑う。
二人の実力差は一目瞭然だ。
女の刀に仕込んである毒は強力だが、童磨を殺すには至らないだろう。
そもそも童磨が間合いを詰めさせてくれないだろう。
だから恐らくあの女の人は＿＿＿。
童磨は扇を広げた。血鬼術を使うつもりだ。
だが。
『＿だめ、童磨。
わざわざ今殺さなくてもいいでしょう？』
先程まで倒れていたが、童磨の肩をちょんとつつく、毒が抜け顔色が戻ったAがいた。
「…Aちゃん」
童磨はなぜAが自分をとめたのか理解できていない顔をした。それもそのはず。今までAは人が食われようが殺されようが興味を一切示さなかったからだ。
女は童磨とは違うことで驚きを隠せなかった。
「まさか、毒を分解して…」
できる。本当は分解なんかしないで死にたかったのに、無惨から大量に血を注がれた身体は分解してしまった。
「…Aちゃんを待たせて退屈なんてさせないよ？多分、すぐ終わると思うんだけど」
『でも止めて。誰かが童磨に殺されているところを見ると私が、嫉妬するから』
死にたがりの少女は殺してもらいたくても死ねないから。
すると童磨は、本当に嬉しそうな顔に変わって、Aを強く抱き締めた。
強い抱擁。成人男性でも粉砕してしまうほどの強力にAは痛そうに顔を歪めた。
「…あぁ、可愛い！！本当にAちゃんは可愛いなあ！！妓夫太郎達みたいに二人で『上弦の弐』にならないかい！？俺が旦那でAちゃんはお嫁さん！」
『…つまらないのは頭だけにしてよ』
冷たく言い放ち、Aが童磨の腕を払うとあっさり離れた。
『…童磨。先に行ってくれませんか？この人と少し話したいことがあるんです』
再び童磨は豆鉄砲をくらったような顔になったが、「手短にね」と言い残して童磨は二人の元から消えた。
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黒月薔薇(プロフ) - もう、好き この一言しか出てこない 雰囲気壊すかもしれないけど、no.5の記憶力の差の差ってもしかしたらひらがなのさだったりしますかね 違ったらすみません 2人が幸せになることを祈ってます 更新頑張ったください (2020年11月8日 16時) (
レス) id: bf38792454 (このIDを非表示/違反報告)
キキ - うぅ涙が出てきました結月さんハンカチどうぞつ□ (2020年4月2日 20時) (レス) id: 62b0e1eed4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 好き… (2020年3月27日 18時) (レス) id: ad9a4e05e9 (このIDを非表示/違反報告)
白蕀姫 - 超シリアスで、面白いです！更新頑張ってください！ (2020年3月18日 21時) (レス) id: d5d3062330 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ ルナ(プロフ) - し、しのぶさん！！カッコイイ！！！美しい！！ 心にしみる作品ですね！続き楽しみにしてます♪ (2020年3月12日 17時) (レス) id: 65c9fb08c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年2月17日 18時
