No.10：累の家族 ページ12
Aは無惨に命じられ、那田蜘蛛山に来ていた。
そこには5人の鬼の群れがいた。
顔もしくは身体だけが蜘蛛になっている者もいる。髪は全員白で、顔にある斑点も酷似している。装飾は合わせられたかのように似通っている。まるで全て揃えられたかのように。
鬼は基本的に群れを作らない。食べることにしか興味を示さない鬼は、絆やら愛情には目も向けないはずだった。
しかし、彼らは『家族』として群れで暮らしている。
『…家族』
とAは怪訝そうに呟く。
家族という言葉には嫌な思い出がある。
すると、子供の姿をした鬼は無表情であっさりと答える。
「そう。これが僕の『家族』。あっちは父さんであれは兄さん、座っているのが母さんであっちにいるのが姉さん」
目に『下伍』と刻まれているから、この子供が無惨が監視を命じた対象、十二鬼月の『累』で間違いないだろう。
子供の姿をしているがその落ち着きようは異様だった。心臓の音があまり聞こえない。恐らくこの鬼は強い。
癇に障って殺されでもしないだろうかとAは密かに期待する。目は冷たく鬼を見つめたままで。
『…一家全員が同時期に鬼になったの？』
人間だった頃から彼らは血が繋がっていて家族で、鬼の食欲すら抑えて共に行動し助け合っているのなら、なんて素晴らしい美談だろう。
しかし、累はそれを否定する。
「違うよ。元々血縁関係なんてない。寄せ集めさ。僕を守り、僕のために命を捧げる。これが家族。
＿君は良い目をしているね。鮮やかな赤で、とっても綺麗だ。君も家族の一員にならない？」
自分の都合で、自分の欲のためだけに家族を作ったのだと累は言った。
Aはそんな累を軽蔑したような冷ややかな目で見つめる。
『…そうやって無理矢理彼らの容姿を変え、家族ごっことやらを続けてきたの？家族なんかじゃなくて、まるでドレイじゃない』
すると累は青筋を立て、怒鳴り散らす。
「うるさい！！十二鬼月にも入れていないお前が何を言って…」
言葉の途中で、累は糸を張り巡らしAに向け放つ。癪に障ったようで、彼はAに攻撃し始めた。
『…状況を理解していないのはあなたでしょう』
✲✲✲
ﾄﾞﾚｲって漢字変換もアウトなのね！！！？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 222人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒月薔薇(プロフ) - もう、好き この一言しか出てこない 雰囲気壊すかもしれないけど、no.5の記憶力の差の差ってもしかしたらひらがなのさだったりしますかね 違ったらすみません 2人が幸せになることを祈ってます 更新頑張ったください (2020年11月8日 16時) (
レス) id: bf38792454 (このIDを非表示/違反報告)
キキ - うぅ涙が出てきました結月さんハンカチどうぞつ□ (2020年4月2日 20時) (レス) id: 62b0e1eed4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 好き… (2020年3月27日 18時) (レス) id: ad9a4e05e9 (このIDを非表示/違反報告)
白蕀姫 - 超シリアスで、面白いです！更新頑張ってください！ (2020年3月18日 21時) (レス) id: d5d3062330 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ ルナ(プロフ) - し、しのぶさん！！カッコイイ！！！美しい！！ 心にしみる作品ですね！続き楽しみにしてます♪ (2020年3月12日 17時) (レス) id: 65c9fb08c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2020年2月17日 18時
