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No.1:鬼のあの子 ページ1
出会った頃から彼女は鬼で、それでいて天使だった。
俺が話しかけただけで花が綻んだように笑う。
「可愛い」と褒めると、照れと嬉しさがかき混ぜられたような甘ったるい音がする。
彼女からはふんわりと甘くいい匂いがして、時折触れる手のひらは強く握ると潰れてしまうのではないか?と心配になってしまうほど小さく、柔らかい。
それだけで充分なのに、彼女は好いた男に鳴らす心音を俺に向けて鳴らしてくれる。
こんな俺の事を好きだって、
そんな彼女を想うようになったのは、そう遅くなかった。
彼女のことが心から恋しくて、こんな時間がずっと続けばいいのに、と思っていた。
ずっと一緒にいたい。ずっと彼女の隣で笑い合いたい。
だけど。
彼女は日に日に鬼へと近づいていく。
人と鬼の境界線に立つ彼女は。
鬼舞辻に毎日のように血を注がれ、鬼の音が濃くなっていく彼女は。
3ヶ月もすれば、完全な鬼へと変貌してしまう。
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作成日時:2020年1月23日 15時