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No.10 :鬼舞辻無惨※注意※ ページ11

月明かりが差し込む無惨の部屋にAは招かれた。


「来い、A」

『…はい』



Aは虚構の笑顔を作って、目の前の主を見上げた。


西洋の白のスーツを着用した気品のある男性姿。


先程の女性の姿とは異なる、いつもの無惨様。

体温を感じさせない青白い肌。

鋭く縦に割れた赤色の瞳。




Aが部屋に入るとすぐ、無惨は何かをぶつけるようにAの唇を強く奪った。


Aはそれを受け入れる。

死んだ目で無惨を受け入れる。


そのまま、ねっとりと深い接吻が続く。



何も感じない。

善逸に手のひらを触れられた時は、まるで心臓が壊れたかのように心音が激しくなったのに。





それでも表面だけの快感はやってくる。

『…っは……』


口を離せば、透明な糸が次第に細くなり千切れた。



Aが惚けている時に、口元を上げた無惨が呟く。


「…思考も読めないほど蝕んだということか」

『?どうされましたか』

「いや」


少し機嫌が良さそうだった。
何故機嫌が良くなったのかAに知る由もないが。


「もう少しだ。もう少しでお前は上弦の鬼に匹敵する強さを手に入れるだろう」



強さよりも私は救いが欲しいのに。
『死』という救い。
生きることから私は逃げたい。

と出しかけた言葉をAはすっと飲み込んだ。



不意に無惨がAの細い首を掴む。


『あぁ、殺してくれるのかも』とAは期待した目で無惨を見つめるが、この男はそうはいかない。

Aの期待は打ち砕かれ、無惨は接吻で自らの血を注ぐ。



「私の血で強くなり、お前は永遠に私の愛玩具でいろ」


__なんて残酷な呪いの言葉。




Aの口から、飲み込めなかった無惨の血がつたりと零れ落ちた。





___

作者「やりすぎたなって思いました」

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作成日時:2020年1月23日 15時

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