【d!】あどけない君をうつくしむ【中編集】 (ページ7)

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走って、結局自分のデスクまで戻ってきてしまった私は勤務中だったことを思い出して仕事に戻ろうなんて考えた

そうすれば、さっきのことからだって気を反らせるから、

きっと、

きっと、そうだから、

カタカタと、慣れないキーボードを打ちながら

マニュアルを何度も捲りながら

仕事をする、

まだ、慣れてない打ち込み作業、

報告されたバグの報告書作り、

1人ではできない、出来っこないと分かりながらも

ボロボロになったマーカーの引かれたマニュアルを片手に頑張る

私だって、1人でやろうと思えば、出来るはずだから、

出来ないとわかってるのに、そう思いながら

??「Aさん、」

『あ、はい、！』

横から声をかけられて顔を上げる

そこには部長がいた

rb「今日、部署関係なしの社員飲み会あんねんけど来れそう？」

あ、そうだ、飲み会、

私、毎回断って来たんだ、

先輩が一緒に断ってくれてたから、

あれ、断るって、どうやるんだっけ、？

どうやって、断るんだっけ、？

あれ、？

『あ、えっと、』

rb「あ、別に来れへんのに無理して来てほしいわけちゃうんやで、！ただ、来ぉへんかなぁって、」

私、断れない

断り方がわかんない、

先輩、先輩...

あ___

こう言うところが、私、お子ちゃまなのかな

すぐに人に縋って、助けを求めるとことかが、

あ、そっか、そうなんだ、

『部長、私、今日の飲み会参加します』

rb「え！ええの！？」

『はい！』

rb「ありがとうな、じゃあ今日は17時ぴったりに切り上げて行こか！」

『分かりました！』

えらくご機嫌に見える部長の後ろ姿を見送って

また、作業に戻る

もう、私は子どもじゃないんだから、

子どもなんて言わせないんだから、

前、間違って同期が買ってきてくれたブラックの缶コーヒーを引き出しから取り出して蓋をあける

大人だから、

飲めるんだから、

仕事だって1人でできるし、飲み会だって行けるし、苦い珈琲だって飲めるんだから

『...にがい、』

コーヒーを口に含んで嚥下してから1人呟く

同期がこれ買ってきてくれた時、

ショッピ先輩が、それ見て、

“Aは甘いのやないと飲めへんで”

って言ってくれたんだっけ、

...って、何思い出してるの私、

早く、仕事しなきゃ

この時は、まだ、

苦いブラックコーヒーを飲んでしかめっ面をしてる私を見てたとか、

そんなの、全然わかってなかった