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『っ...腰いった...』
朝、腰の痛みで目が醒める
ほんと最悪
なんで最後の最後まで私は抱かれなきゃいけなかったんだよ
ため息を吐いてとりあえずベッド横の机から湿布を取り出して適当に貼り付ける
今日バイトなくて本当に良かった
本当に。
『...朝ごはんでも食べるか』
少し寂しいと感じてる気持ちを押し殺して
私はとりあえず近くに投げ捨ててた
下着を手にとって履いて
大きめのシャツだけきてキッチンに向かった
本当に何にも音がしなくて少しだけ寂しい
どこを見てもひとらんの影はもうないし
そもそも私以外の呼吸音が聞こえることもない
もっと悲しくなった心を押し殺して私は料理することにした
『あ。間違えちゃった』
ふと、いつもの癖で2個割ってしまった卵を見てため息を吐く
...まぁ、いいや、食べちゃえば一緒でしょこんなの。
別に食べれない量なわけでもないし、と思いながら焼く
美味しそうな卵の匂いが鼻腔をくすぐる
目玉焼きは半熟じゃないのが好きだって言ってたなぁ
塩胡椒じゃなくて醤油派で、たまに気分転換にソースかけてて
半熟だった時は私に黄身くれてたな
笑って次からはちゃんと火を通してよねなんて言ってきてて
『ぁれ、?』
ふと、水滴が垂れてきたのに気がついて困惑する
ああ私、泣いてるんだ
そうなんだ
やっぱ寂しいんだ
苦しいんだ
そうだったんだ
『ほんと...なにしてんだろ、ひとりで、』
悲しくなってまだ火の通ってない
ほとんど生の状態の目玉焼きに菜箸を突き立てる
そして跡形も残らないくらいにぐちゃぐちゃにした
今日は気分転換の日。
目玉焼きじゃなくてスクランブルエッグでも食べよう
それから家具に染み付いたタバコの匂いも消そう
外に出て好きなものいっぱい買おう
もう、彼との生活のために貯めてた貯金はいらないんだから
ボロボロと涙をこぼしながらそう思う
もうなにをするにも怠くて、つらくて
出来上がったスクランブルエッグをお皿に移すことも忘れて
フライパンからお箸でとってそのまんま食べる
なんだかしょっぱくて
苦しくなった
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