【d!】あどけない君をうつくしむ【中編集】 (ページ22)

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中学校の制服を畳んでクローゼットの中に仕舞う

もうこの制服は着なくなるんだなって少し悲しくなって

少しだけぼーっとしてたら

向かいのベランダにタバコ吸ってる鬱さんが見えた

私はベランダに出た

『鬱さん、こんばんは』

ut「ん？ああ、Aちゃん、こんばんは」

中学卒業したことを知らせたくて

私はもう慣れたベランダ移動をした

ut「もう慣れたもんやね」

『慣れなきゃこんなことしてないですよ』

ut「それもそうやね」

へらっと笑いながらそう言う鬱さんは

タバコを消そうとしてて

私はそんな鬱さんの腕を掴んだ

『タバコ、消さなくていいですよ、』

ut「でも、体に悪いやん？Aちゃんにはずっと健康でいてほしいから」

鬱さんのタバコ吸ってるところ私好きなのに、

と思いながらも手を離すと鬱さんは

小さくお礼を言ってタバコの火を消した

ut「それで...えらい嬉しそうやったけどどないしたん？」

『あ、そうだった、鬱さん！私、今日、中学卒業しました！』

鬱さんの言う大人に近づけたよ

なんて意味合いを込めてそう言うと

鬱さんは私を見て優しく微笑んだ

まだまだ大人じゃないんだけどね、私

ut「おめでとう」

『あ、ありがとうございます、！』

ut「...だいぶ大人になったなぁ、Aちゃんも。...ってことは俺も年寄りになったなぁ...」

『そんな悲しいこと言わないでくださいよ』

遠いところを見ながら悲しそうに笑う鬱さんを見てそう言う

悲しいでしょ、そんなこと言われたら

ut「まぁ、それは置いといて...はい、これ」

『？なんですか？これ』

渡されたのは綺麗な箱で

悪いかな、なんて思いながら

私は箱を開いた

『これ...』

ut「卒業祝い。ほら、入学祝いもあげれてへんかったし。」

『ほんとにいいんですか、？』

ut「ええよ」

鬱さんからのプレゼントは

綺麗なサファイアのネックレスで

思わず本当にいいのか聞いてしまった

だって、こんなに綺麗で高価そうなものを渡しされたら

本当にいいのかくらい聞きたくなっちゃうでしょ

綺麗、なんて眺めてたら鬱さんが口を開いた

ut「付けたろうか？」

『お願い、します、』

鬱さんにネックレスん渡して

後ろを向くと

鬱さんは私の髪の毛を少しどけて

ネックレスをつけてくれた

その時に首に触れた手が少し乾燥してて

こそばゆくて、冷たくて

私な思わず小さく笑った