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「松崎って、大学卒業したらどこで働くんだ?大学院?」



放課後の教室で日誌を書く私に黒板を消す松田くんが問う




『わたし?私はねえ…警察学校に入学するよ』



ちっちゃい頃から目指してる警察官



多分私の長所が活かせるのはここしかないと思う



「まじで!?俺も警察官目指してんだよ!!」



警察犬じゃなくて?という言葉は飲み込んだ



『おお、なんか似合うかも』



「じゃあ高校卒業して大学別になっても、警察学校でまた会えるんだな!」



そっか



大学、別だよね



あれ、松田くんがいない日常ってどんなものだったっけ



私の今の1日は




朝学校に来たら松田くんと挨拶を交わして


授業中も席が近ければちょっかいかけてくるし、遠くても手紙回してくるし


わたしのお弁当のおかずを狙ってお昼も結局一緒に食べてるし


部活もあの水道で会うことが多いし





え、意外とわたしの1日って松田くんで溢れてる感じ??



なら…松田くんがいない日常ってきっとつまらないんだろうな




「松崎、大丈夫か?」



『ああ、ごめんちょっと考えごとしてて』



「ふーん、さては、俺のことでも考えてたな?」



『え、すごいなんで分かったの?』



わたしの頭覗かれてた?非公開にしないと



とか考えてる間に松田くんがめっちゃ顔赤くなってる



「…俺の、どんなこと考えてたんだ?」



『松田くんがいない日常ってどんなだったかなって』



忘れちゃったの、と付け足す



「…つまり、松崎の頭は俺でいっぱいってことか?」



それは…ちょっと違くない?


でもほぼそうなるのかな



『頭の中ってより…日常が松田くんでいっぱいってこと』



「ふーん」


言葉だけだと冷たいが声はちょっとうわずってるし



後ろを向いて再び黒板消しを握っているが



後ろから見える耳はいまだに赤いまま




…ドーベルマンというより柴犬?



ないはずの犬の耳が生えてるように見える



めっちゃ元気に動いてる…

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作者名:ゆづ | 作成日時:2023年5月28日 23時

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