待てが聞けない困ったわんこ【松田陣平】 (ページ14)

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うーん…やっぱり今日はついてない日なのかな

今朝のテレビの星座占いで見事に最下位だった

普段は見ないけど、今日たまたま見たら、最下位だった

アナウンサーさんが一言

今日は普段おきないアクシデントが。まずは自分の安全を確保して

と言っていた

『陣平くん…助けてよ〜』

「待ってろ、今応援呼ぶから」

ひったくり犯を走って追いかけていたら

曲がり角で飛び出してきた猫とぶつかりそうになり、
避けようとしたら水たまりで滑ってダイブ

犯人は陣平くんによって捕まえることができたが

私はボロボロだ

猫は無事なようで、のんきな顔して私に擦り寄ってくる

私は避けたついでに足を変な方向に曲げてしまったようで

足も痛い

「…立てるか？」

『むり』

「でもとにかく水たまりからは脱出しようぜ」

犯人は応援に来た警察官に任せたようで、陣平くんの両手はフリーだった

『わっ！ちょっと、』

体育座り状態のわたしの膝の裏に手を差し込んで、背中を支えてお姫様抱っこになってしまった

お姫様のお尻がびしょびしょで情けない

「俺の車に戻ったら、そのズボン脱げよ」

『脱ぐときは陣平見ないでね』

「…まあ、多分？」

信用ならない…

結局お姫様抱っこのまま車まで運ばれた

陣平くんは運転席に、私は後部座席に

こんなこともあろうかと陣平くんの車には着替えが1セット置いてある

よくよく見るとジャケットも水がとんでいたので上下とも着替えることにした

『うしろ、向かないでね』

「向かねえよ」

ほんとに向く素振りがなかったので安心して上下の服を脱いだが

ミラー越しに目が合った

『…陣平くん？』

「いや、後ろは向いてねえから。着替えを続けてくれ」

ほんとに警察官なの？

まあ、下着姿を隠すのも今更…？

でもやっぱ恥ずかしい

陣平くんの視線は気にしないことにしてなんとか着替え終わった

汚れた服はビニール袋に入れて、助手席に戻った

『っ！？』

シートベルトをつける前に顎を掴まれて強引にねっとりしたキスを一発かまされた

「さっきの、ちょっと興奮しちまったから」

『もう…変態なんだから』

「Aに対してだけだから安心しろ」

その言葉は少し引っかかるけど、ちょっと嬉しいから見逃してやった