・2 ページ2
今日はもう練習しすぎて足が痛いから休憩しよう
汗はダラダラ前髪はおでこに張り付くし、タオル…タオル…と求めていたのに
荷物置き場にタオルは無かった
あ、そうだ最初の休憩のとき確か水道に…
と思ったらなにやら男子たちが溜まっている
そこで溜まんないで…私のタオルが…
少しここで待っていようと壁に身を隠す
なにやらじゃんけんで盛り上がってる
そしたら男子が1人、私のタオルを掴んだ
ちょいちょいちょい、どういうことだい？
私のタオルであってあなたのものではないでしょう
どこぞのジャイアンの思考ですか？
手につかんだと思ったら今度は鼻に近づけた
少しの間、多分、嗅いでいた
え、きもい
率直な感想はこれだ
次に聞こえた言葉は
「…めっちゃいい匂い…！！！」
ええええ？？？？
な、なに言ってんの…？？
もうこれ以上恥ずかしくて見ていられないので
潜めていた体を出して少し踏み出す
『あの…それ…私の…です』
思っていることとは裏腹に声は情けなかった
私のだと言っても渡す気がないらしい
なら、奪うまで
彼の手に狙いを定めてパシッと奪い取る
そして自慢の足の速さで逃げる
タオル！！おかえり！！寂しかったよ！
異変は特に何もない
はあ…よかった
汗をかいたおでこや首を拭いて考える
…あの男子は松田陣平だったのではないか？
私の学年では有名な人だ
やんちゃで喧嘩っ早いけど、顔も頭も運動神経もいいから女子に人気な人
私には縁がない話だ
どちらかというと女子友達と一緒に行動することが多いし、その子たちも松田陣平に関わりがあるわけではない
まあ、来年のクラス替えで同じにならなければいいかな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 640人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆづ | 作成日時：2023年5月28日 23時
