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あいつとの出会いは高校2年生のときだった




あの夏の日、それが忘れられない出会いだった



なんて言えば聞こえはいいが、あいつには俺がただただキモいという印象しか残らなかった日だろうな



あいつの高校時代の部活は陸上、俺もその時外部活に所属していた



外部活が愛用する水道に、誰かが忘れていったであろうタオルが置いてあった




汚れた手を洗いにきた俺と、部活仲間で誰のタオルかを考察する会が開かれた



タオルの柄から考えようかと思ったがちょっとブサカワなキャラからは誰の想像もできなかった



見た目がダメなら、匂いで確かめよう




誰かが言ったその発言に暑さにやられていた俺たちは乗っかってしまった




問題は、誰が嗅ぐか



じゃんけんにあっさり負けた俺になった




部活仲間に見守られる中タオルに鼻を近づける



スゥ…



え…



え…



めっちゃいい匂いすんだけど!!!!!!




もう一生嗅いでいたいくらいいい匂いだった




誰の匂い?どんな匂い?とガヤが入るが



「…めっちゃいい匂いする…!!!」



としか俺は言えなかった




さてそこにタイミング悪くタオルの持ち主の登場




水道の向こう側から俺たちを見ていたあいつは




きっとその一部始終を見ていたのだろう




恥ずかしさで顔が真っ赤になっていた




『あの…それ…私の…です…』




おそるおそる俺に近づいてきたかと思えば




タオルを奪還し、男でも追いつけないような速度で消えていった



…俺が触ったタオルは少し湿っていた



俺が嗅いだのってあいつの汗の匂いなんじゃね?



だとしたらやべえな



めっちゃいい匂いした



…あいつのこと、萩原に聞けばなにか知ってるかな

・2→



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作者名:ゆづ | 作成日時:2023年5月28日 23時

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