結局、俺なんやろ？ (ページ13)

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Fate 12 ページ13

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Side of Ren

高1の春、あれは完全に一目惚れだった。

『…はぁ、』

ガチャリと靴箱を開けると大量に出てきた手紙

入学早々なのにも関わらず、俺は結構人気やった。

誰か分からないし、迷惑。…恋愛なんて興味もなかったし

床に散らばるモノにため息がでた。

全部拾って、最後の1枚。

［人気なんだね、キミ］

それを拾ってくれたのが、先輩だった。

［…迷惑とか、思っちゃいけないよ？愛されるって、すごいことなんだから。］

話してくうちに知った、

先輩には彼氏がいること。

浮気されていること。

なんでそんな奴と別れないのか、それだけが気になって、

［ごめんね、永瀬くん。こんなことばっか話しちゃって、］

先輩が泣きながら言ったこの言葉に、俺は火がついた。

『…別れればええのに、そんなヤツ』

『先輩を泣かせるオトコなんて最低や、

俺なら、先輩を泣かせへん。笑顔にできる』

賭けだった。空気に呑まれてつい言ってしまった言葉だけど、

もしかしたら俺のところに来てくれるんじゃないか、なんて。

どこかで思ってた。

［…永瀬くんは優しいね、］

『…え、？』

［私を元気付ける為に、嘘言ってくれてるんでしょ？］

『…いや、ウソなんかじゃ［ありがとう、でも無理なの］

［私ね、バカだから。浮気されてもまだ好きなの。どこかでこっち来てくれるんじゃないかって、考えてる自分がいてさ、］

『でも、ソイツは！』

［ごめん、もう私、永瀬くんに頼るのやめるね、迷惑だよね］

先輩は、俺を突き放した

『ちょっと待ってって、先輩』

［気持ちは嬉しいけど、私は応えられない。］

見向きもされなかった、ずっと俺には背を向けて。

［案外近くにいるんじゃないかな］

『何が、っすか』

［永瀬くんを大切に想ってくれる人］

先輩以外いらなかったのに、なんでそんなこというんや？

初めてだった。欲しいものが手に入らないなんて、

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数ヶ月後、先輩から［復縁できた］とラインがきた。

廉またなんかあったら、俺のとこ来てくれていいっすよ。

なんて送ってしまった俺は、どれだけ先輩が好きだったんだろう。

案外近くにいる、俺を想ってくれている人。

先輩が教えてくれたその人を、

俺はずっと探している

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