第56話 ページ7
「ん………」
目が覚める。
私の横では善逸がすやすやと気持ちよさそうに眠っていた。
もう外は明るくなっているが、時計を見るとまだ朝の4:00を指している。
「……」
ふと、昨晩の善逸とのやり取りを思い出した。
(…あのときの、男の子)
私の記憶では黒髪だったと思うんだけど…。
それに、炭治郎の家にいたのはなんで??
次々と疑問が浮かんでくる。
考えていると眠気も吹っ飛び、私はひと足早く学校の準備を始めた。
_______
「……A…?」
私が朝食の準備をしているとき、急に善逸が声を出した。
「あ、善逸、起きたの?」
「んー……」
体をおこし、ゴシゴシと目を擦る善逸。
裸ですよ。
「とりあえず服着なよ」
私は今フライパンから手が離せないため服を持って行ってあげることはできない。
仕方ないが、裸のまんまベッドを出てもらう他ないのだ。
私が1つ目のめだま焼きを焼き終え、2つ目の卵を投入するとき。
「……へ!?」
後ろからふわっと包み込まれる。
善逸が、裸のまま私にのしかかって来た。
……裸!?
「ちょ、ちょなにしてんの!?!?」
驚きで思わずフライパンを投げそうになる。
や、私はどこぞの塔のプリンセスのように殴ったりはしないけどね?←
「危ないよ…熱いんだから」
そんな私の様子を見かねて、すかさず善逸が私の手元を抑える。
「ぜ、善逸が急に抱きしめてくるから、」
「んー……触れたくなった。ごめん。」
やけにあっさりと引き下がり、私も少し困惑する。
なんだか今日の善逸は別人みたい。
私の後ろでいそいそと着替えを済ませまた私の背後に立ち、今度は肩に顔をうずめてくる。
「え、ほ、ほんとに善逸どうしたの…?」
「………」
私の呼び掛けには答えず、善逸は目玉焼きを作り終えるまでずっとその体勢でいた。
_______
「…善逸、できたから、」
さすがにこの体勢のまま食器は運べないので、私は善逸に声をかけどいてもらう。
その間も彼は少し不服そうに私の近くをウロウロとしていた。
……いや、ほんとになんなの、?
私がご飯を食べようと座ったあとも、向かい側から食器ごと私の隣に動いてきた。
(……えぇ……)
どうやら今日の善逸は、甘えたな日のようだ。
めずらしい。
私は少し興味を持ち始めて、今日くらいは甘やかしてやるか、なんて1人楽しんでいた。
善逸が、強い決心をしているなんて知らずに。
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りお(プロフ) - sera:0012さん» 意外性?みたいなのを出せるように頑張ったので、そう言ってもらえて嬉しいです!! (2020年6月8日 22時) (レス) id: 9caa94bd8c (このIDを非表示/違反報告)
sera:0012 - はわわわわ…まさか童磨が出てくるとは…(・д・)スゲェ…… (2020年6月8日 19時) (レス) id: d4dd6494ae (このIDを非表示/違反報告)
葉桜透 - りおさん» 本当ですか!?私もそう言って頂けて嬉しいです。頑張って下さい! (2020年6月6日 23時) (レス) id: 4d7d5a1664 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 葉桜透さん» 葉桜さん…!?わわ、葉桜さんの作品めっちゃ読んでます…!!すごく嬉しいです!!o(*゚∀゚*)o更新頑張ります! (2020年6月6日 23時) (レス) id: e51e299203 (このIDを非表示/違反報告)
葉桜透 - すっごく面白いです!続き、楽しみにしてます(≧∇≦)これからも無理しない程度に頑張ってください、応援してます。 (2020年6月6日 15時) (レス) id: 4d7d5a1664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉桜 | 作成日時:2020年5月24日 20時